※カカイル短編※ 

□飲み会にて
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今日は上忍、中忍の親交を深める為の飲み会。
珍しくカカシが参加しているので、くのいち達が頬を染めソワソワしている。

「おめぇ、珍しいな。こーゆー飲み会って嫌いじゃなかったか?」

カカシの横で日本酒をチビチビやってたアスマが声をかけてきた。

「うん。たまに顔出してみるかな〜って思って。」

カカシはアスマが差し出した銚子に杯を近づけ酌をしてもらった。

「そろそろ座席も乱れてきた事だし、綺麗どころが酌しに来るぜ?」
「綺麗どころって…くのいち達の事?」
「木の葉の くのいちは見目良い女が多いだろ?」
「…さぁ…?」

カカシは興味なさげに下を向き、膳の上の肴に箸を付けていた。

「おまえ、今日は大サービスだな。」
「何が?」
「口布下げちゃってよ…。上忍は兎も角、中忍でお前の素顔見た事有る奴なんて、そう居ないだろう?」

アスマの問い掛けにカカシは「ふふっ」と含み笑いをした。
その綺麗に曲線を描いた薄い唇に、くのいち達の視線が集まる。笑うとカカシの綺麗な顔は、より一層と聡明さを増した。
それが合図かの如く、くのいち達が席を離れ動き出した。するとアッと言う間にカカシのまわりはハーレム状態になった。


「あ〜ごめん。いっぺんに御酌されても…。」

戸惑うカカシを苦笑いで見ていたアスマだったが、離れた席での「わぁっ!!」と言う歓声に顔をそちらに向けた。

「すげぇイルカ!大丈夫か!?」
「だ〜いじょ〜ぶっ!」

木の葉のアカデミー教師、そして受付でもお馴染みの、うみのイルカがビールのジョッキに注がれた日本酒を一気飲みしているとこだった。

「大丈夫かよ、イルカの奴…。」

幼い頃から彼を知っているアスマは少し心配気にイルカを見ていた。

「大丈夫でしょ。イルカ先生強いから。」
「へ?お前よく知ってんな。飲んだ事あるのか?」
「うん。何度か。」
「でもよ、アイツあんな飲み方しねぇはずだけどなぁ…。明日アカデミー休みだっけ?」
「有るよ。平日だし。」
「そうか。…て、お!サンキュー!」

カカシに酒を注ぎに来ていた くのいちがアスマにも酌をしてくれた。
カカシの前には、くのいち達が絶えない。次から次へと酌をしにやってくる。そして皆、聞いてもいないのに自己紹介をしていく。
だが、そんな1人1人にカカシは「そ。」と一言いいニッコリ笑って見せる。
握手を求められれば快く手だって握ってあげていた。

ほとんどの女性を取られて、他の男共は半分恨めしげに、半分諦めの境地で「カカシハーレム」を見ていた。

「よしっ!うみのイルカ!次はぁ、ワインを大ジョッキで行っきまぁ〜っすぅぅぅ!」
「おいおい、大丈夫かよ!」「飲めんのかぁ?イルカぁ!」

酔いがまわりきってる中忍達は、皆笑って誰もイルカを止めそうもない。

「お前そんなんだから、彼女も出来ねぇんだぞぉ!」

終いには、からかわれてワハハと笑われてる始末だ。

「チッやべえなぁ。アイツどうしたってんだ。あんな飲み方してたら、ぶっ倒れるぞ。」

仕方ない、止めに行くかとアスマが腰をあげた時には、すでに隣にいたカカシの姿は無かった。

「イルカ先生。帰りますよ。」

気が付くとイルカの肩を掴み立たせようとしているとこだった。

「いやれすっ!まだ飲んでいますれすよ。」
「呂律まわってないじゃない。さあ立って。立てる?」
「うるひゃい!離せバカっ!」

「!」イルカが上忍を…しかも、あの里の誉と謳われビンゴブックにも載っている写輪眼の「はたけカカシ」に向かって
バカ発言した事に、酔いがまわっていたはずの周りの中忍達も肝を冷やすどころか一気に酔いが覚めた。
そこで1人の勇気ある同僚が立ち上がりカカシの手からイルカの体を引き寄せようとした。

「お…おいイルカ。お前飲み過ぎだよ。すみません、はたけ上忍。こいつは俺が今すぐ送り帰しま…」
「触るんじゃないよ。」
「へ!?」
「おいおいカカシ。おめぇの方こそ何殺気放ってんだよ。」

怯える同僚教師の側にアスマもやってきた。

「…さ、イルカ先生、帰りますよ。こんなに飲んじゃって…明日学校どうすんの。」
「だって…。」

イルカが半ベソになってきた。

「だって?」
「だってカカシさんたらデレデレしちゃって。」

イルカはヒクッと喉を鳴らし泣きながら訴えた。

「デレデレなんてしていませんよ。馬鹿だねぇ。焼きもち妬いてたの?可愛い。」

そう言いチュッとイルカの、こめかみにキスをした。

なんだ?なんなんだ。こいつら?そう思って見ていたのはアスマだけでなく、部屋中の人間がポカンと口を開けて2人を見ていた。

「カカシさん、眠い…」「はいはい。でも、寝れないかもねぇ…」

と言う、誰も聞きたくもない想像もしたくないような一言を残し煙と共に2人の姿は消えた。

「そーゆー事かよ…」
アスマは泣き喚く くのいち達に哀れみの目を向け、ため息をついた。





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