※カカイル短編※ 

□恋人宣言
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「……」

フッと目を覚ます。
朝だ。

『あれ…俺…?』

確か 夕べは飲み会で…

「ん?」

覚醒しつつ有るイルカは、背後から誰かに抱きしめられたまま寝ている事に気づいた。
しかもお互い裸らしい。

後ろに居る人物。それはカカシだろうけれど。

目が冴えに冴えてきたイルカは、有る事に気づく。

「うわあっ!!俺 学校!!」

ガバッと上半身を起き上がらせ時計を見る。
と、同時に頭痛に襲われ「あだだだだっ」と頭を抱え、次いで腰の痛みにも「うっ…!」と顔を歪ませた。

「…せ〜んせ…まだ寝てなよ…。」

ムニャムニャと目を閉じたままカカシは片手を起き上がったイルカの太腿に置いた。

「イテテテ…て、じゅ、10時!!やばいっ!」

慌てて起き上がろうとしたが、腰の痛みとカカシの不埒な手がイルカの動きを止めた。

「大丈夫ですよ。アカデミーには体調不良の為、休みますって言ってあるから。」
「え!?本当に!?…大丈夫かな。って、カカシさん…ちょ、どこ触るんだっ!」

ゴスッとイルカの肘がカカシの後頭部を直撃した。
「いった〜い!イルカ先生、今のはマジ痛かったです。」
「…すみません。酒が残っていて力加減が解りませんでした。」
「…嘘だよね…」

「…とにかく、です。」
「あ、はぐらかした。」

「俺…夕べの記憶が殆ど無いんですが、どうなっちゃったんだろう。俺、何か やらかしちゃいました?」

頭と腰の痛みを抑えつつチラッとカカシの方を見た。

「う〜ん…そうだねぇ。可愛かったよ。ヤキモチ妬いてくれて。…嬉しくって早々に先生持ち帰って燃えまくりました。」
ニヤニヤと鼻の下を伸ばしイルカの腰に抱きついたカカシだったが、イルカの反応が無いので「ん?」と顔を見上げた。

そこには顔面蒼白とは この事かと思われるイルカの表情(かお)が有った。
前に戦で敵の中忍が自分「写輪眼のはたけカカシ」にバッタリ出会ってしまった時の顔色と同じだ、と思い出した。

「イルカ先生?」
「…あの…ヤキモチって…俺、何か言ったんですか?カ、カカシさんの前‥で?」
「い〜え。みんなの前で。」


今度は「ガーンッ!」と言う擬音が聞こえて来そうな顔になった、イルカであった。

「あっはっは!イルカ先生、かぁわいぃ〜!どうして そうコロコロ顔色変わるかなぁ。もう食べちゃいたい!」

食い尽くしたでしょうが。
そう突っ込みたかったイルカだったが、それどころではない。

「カカシさん、じゃあ昨日来ていた連中には、俺とカカシさんの事…」
「うん。バレちゃった。」

何も悪びれない爽やかな笑顔でカカシは答えた。

バレた。
同僚達に。昨日来ていた中忍、上忍すべての人に。

いや、既に里中に知れ渡っているかもしれない。
あの写輪眼の「はたけカカシ」と、アカデミーの中忍教師「うみのイルカ」が恋人同士だと。

ガックリ肩を落としているイルカを見て、カカシは少し悲しくなった。

「…ごめんね。イルカ先生…。先生2人の仲を隠したがってたものね。…でも、そんなに俺との事を世間に知られるの…イヤ?」
「カカシさん!イヤだなんて思いませんよ。ただ その…て、照れ臭いって言うか…」
すでに照れながら鼻の傷を指先でポリポリ掻いた。

照れ臭いと言うか、「はたけカカシ」の恋人が自分だと知られるのが少し怖かったのだ。
カカシの恋人になりたがっている美しい女性が沢山いるっていうのに。
自分がカカシの恋人だと知った時の、周りの反応は、どうだろう?
カカシだって、こんな何の取り柄もなさそうな中忍を恋人にするなんて、影で笑われるかもしれない。

「イルカ先生?照れずに堂々と一緒に歩きましょうよ。俺は皆に知られて、却って良かったよ。イルカ先生は俺だけの大事な人なんだよって見せつけられるでしょ?」

カカシが綺麗な顔で「ふふっ」と嬉しそうに微笑んだ。

「カカシさん…。」
「ね?いいでしょ?明日から堂々と手でも繋いで出勤しましょうよ。ちゃんと恋人宣言しよ?」

うふふと楽しそうに笑うカカシに

「嫌ですっ」

手を繋ぐなんて…と赤い顔で睨むイルカであった。





※ちまちま続いてるなぁ(汗)まだちょっと続くかも…(汗×2)



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