※カカイル短編※ 

□貴方が見る夢
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ベッドの中。眠っていたはずのイルカ先生が

「カカシさんっ。」

と、ギュウッと抱きついてきた。

「…ん、あれ?何?どうしたの?」

ウトウトしていた俺も、半分寝ぼけながら返事をし徐々に覚醒していった。

「…嫌な夢を見たんです。カカシさんが…。」
「俺が?」

そこまで言うと、更に俺を抱きしめる腕に力を入れ

「…カカシさんが負傷する夢…。」

そう言い俺の胸の中から、揺れる漆黒の瞳で見上げてくる。

「大丈夫。大丈夫ですよ。」

そんな可愛い恋人を安心させるよう、額に口づけて背中を優しく撫でる。

「カカシさん…。」

可愛い人。
貴方にそんな顔をさせる俺って幸せ者…。

「イルカ先生。愛してるよ。いつまでも一緒に居るよ。」

たとえ戦で死んだとしても、彼の傍にいたい。

「カカシさん。本当ですよ?ずっと離れないでいてくださいね?」
「うん。…イルカ先生もね。ずっと俺の傍にいて…。」

大好きなイルカ先生が傍にいてくれる…
かけがえのない そんな幸せ。

「カカシさん…俺、今度は いい夢見れそう。」

うつらうつらと先生が言う。

「うん。抱きしめていてあげるから。…いい夢 見て。」
「はい…カカシ…さん…も…。」
「…うん。」

可愛い寝顔を見ながら、俺も目を閉じる。


   ***


目が覚める。まだ起きるには早い時間だ。

「…イルカ先生?」

ベッドの中には俺しかいない。

「…だよね…。」


現実には思いも告げていない、大好きなあの人。

いい夢を見たのは俺だった。





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