※カカイル短編※
□夢でも現(うつつ)でも〜カカシside〜
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「 !!! 」
ある朝
俺 はたけカカシは飛び起きた。
何故って 絶対有ってはならない夢を見たから。
夢によって驚き 飛び起きたのである。 不覚にも。
「 〜〜〜〜〜馬鹿みたい…。」
ベッドの上で座ったまま 片手で顔を覆い、下を向く。
有り得ない。 絶対に有り得ない夢だった。
俺と… あのナルトの元担任の「うみのイルカ」先生が…その…
なんだか知らないが、付き合っているようなのだ。
しかも、夢の中では一緒に暮らしているようで
俺が卓袱台の前で本を読んでいると
「ご飯 出来ましたよ〜。」なんて
可愛い笑顔を見せながら、台の上に食事を運んで来るんだ。
…うん。…笑顔は可愛い…よな。実際…。
笑ったら可愛いな‥なんて、この前一緒に飲んでいて思ったのがイケなかったのか‥?
一緒に飲んで喋って笑って、先生と居ると楽しいや!
なんて思った気持ちが見せた夢なのか…?
でも夢は そこで終わった訳ではなく
その…なんて言うか…
「うわあぁぁぁ…。」
思い出して顔から火が出る。きっと耳まで赤いぞ俺。
思わず両手で顔を覆う。
夢の中で 俺は
彼を抱いたのだ。
いわゆる エッチな夢。
しかも最後まで‥いたした。
「 ! 」
ハッと思い 布団を捲って、うなだれる。
「 最悪…。 」
もぞもぞとベッドから立ち上がり洗面所へ。
そして もそもそとパンツを脱いで洗濯機へ入れ
シャワーを浴びて新品のパンツを履く。
朝 下着を汚してるなんて何年ぶりだ。
つーか 十代でも有るまいに…。
「 ふう…。 」
お湯を沸かしてインスタントコーヒーを作り、テーブルに運んで力無く座る。
問題なのは。 夢の中で問題なのは。
俺がイルカ先生を抱いたのも そうだが
どうやら 夢の中での翌朝(だと思う)イルカ先生が、俺に向かって はにかみながら
「 カカシさん‥出来たみたいです。‥赤ちゃん。」と、言い
「 本当に!?先生!本当に!?」
と、俺も彼を抱きしめて大喜びしていたと言う事だ。
悪いが俺は 今まで一度も自分の子供が欲しいなんて思った事など無い。
なのに。 寄りによって男の‥イルカ先生を孕(はら)ませるなんて!
でも
『イルカ先生‥可愛かったよなぁ‥。』
ちょっとドキドキする。
抱いている時も全然自然に愛したし
イルカ先生も‥艶っぽかったし‥
ハッ!俺っ! 何をトキメいているのだ!
『うーん‥最近アッチの方も御無沙汰だからなぁ。』
だからって 寄りによってイルカ先生?
ふうっ と溜め息を吐きコーヒーを口に入れる。
「 ……。 」
あれあれ?なんだろ?
夢のせいか、イルカ先生の顔が頭から離れない。
赤ちゃん出来ましたって言った 嬉しそうに笑う 可愛いイルカ先生の顔が…
ヤバい。
思い出したら またドキドキしてきた。
馬鹿だぞ 俺!
さっさと支度して七班の子供達と任務行かなきゃ。
今日は芋掘りの手伝い…と言う名の任務だ!
***
「カカシ先生?どうしたの?」
「!え!?なに?サクラ!」
任務も済んで、今 俺達第七班は
御礼に戴いた芋と任務報告書を持って受付へと向かってる。
「先生 なんかソワソワしてない?なんか良い事でも有るの!?」
「 な、バ、馬鹿言うんじゃないよ。受付行ったって なぁんも良い事なんて有るわけ…」
「…受付なんて言ってないけど?」
ぬぬぬ…。サクラめ…。
「 カカシせんせぇ〜、サスケが芋要らないって。これイルカ先生に あげちゃっていいよな?」
うっ。 その名を聞いただけでドキドキする。なんで? もう泣きたい。
実は今日一日 彼の事が頭から離れなかったのだ。
「 このサスケの芋…って、何赤くなってんだよカカシ先生。」