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□告白 2
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カカシさんから告白された
恋人として付き合ってほしいと。

恋人って?恋人って…

俺は暫くの間、ぼんやりとカカシさんを見ていたが「恋人」の持つ意味を考えた途端、目線が彼からテーブルの上の料理へと下がってしまった。

恋人って、あれだよな…肉体的な事も込みって事だよな…。
何故カカシさんは俺なんかを…。

「あの…何故俺なのでしょうか?」

馬鹿な質問だろうが聞かずには、いられなかった。
カカシさんほどの人が、何故俺なんかを…

「何故って…好きになるのに理由なんて有りません。気がついたら…イルカ先生の事ばかり考えていたし、見ていたし…朝も昼も夜も毎日先生の傍にいたいと思うようになりました。」

カカシさんも目線は料理の上だ。

「いやですか?」
「え?」
「俺なんかと付き合うの。」

今すぐ返事が出て来ない。何か言いたくても何が言いたいか、自分でもわからない。

カカシさんの事は大好きだ。上忍で有りながら決して驕り高ぶる事もない。
いつも穏やかで優しくて…
それは相手が俺だったからって訳ではなく…
そうか。カカシさんは俺の事を、そういう感情で見ていたのか…。

「…ごめんね。イルカ先生。俺 困らせちゃったみたいね。」
「!あ、あの…。」
「いいんです。こうなる事は予想していました。」

へにゃりとした笑顔を見せてカカシさんが言った。

「俺の告白は忘れてください。イルカ先生とは、これからも酒飲んだり食事したりしたいから。…て、もう駄目か。」

あははっとカカシさんが笑う。
そんな悲しい笑顔で笑わないでください。

「カカシさん。ごめんなさい。突然の事で、どう返事をしていいのかわかりません。もう少し時間を頂ければ…。」
「時間…。」

明日をも知れぬ戦忍に時間をくれなんて、あまり良い事でないのは承知の上で言ってしまった。
とにかく今は…答えが出せずに逃げたかった。
良い返事をしなければ、と言う変なプレッシャーも有る。
告白された相手が女性ならば、どうだったのだろう…。

「先生。」 「は、はいっ!」

カカシさんが苦しそうな顔をして俺を見る。

「もう いいです。すぐに返事を頂けなかった時点で俺ふられちゃってますから。」

にこりと笑うカカシさんに胸が痛む。

「先生優しいから…。考えた末に我慢してまで俺と付き合う事を決心しそうで嫌です。」
「そんな…。」

いや、大いに有り得る。カカシさんは俺を見抜いてる。

「いいんですよ。俺も当たって砕けろーって気持ちで告白したんで。」


「あはは。玉砕ですっ!」
後頭部をガリガリ掻いて笑っている。

わかんない。
俺は自分の気持ちがわからない。
答えが見いだせない…。

その後の俺は愛想笑いしか出来なくなり、カカシさんは食事の途中で雰囲気悪くして、ごめんなさいと何度も謝っていた。
俺は「いえ。」しか言えなかった。

結局カカシさんの中では、俺への告白は「ふられた」事で幕を下ろしたようだったが、された方の俺は幕が下りるどころか、開きっぱなしだった。



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