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□告白 3
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カカシさんから告白された あの日

「気持ち伝えてスッキリしました。…先生には…嫌な思いさせたかも…ですが。」

別れ際、申し訳無さそうにカカシさんが言った。

「嫌だなんて、思っていません。ただ…なんと言うか…。」

「ほんとに?」「え?」

「ほんとに嫌な気持ちにならなかった?」
「はい。…びっくりしたと言うか…戸惑っています。」

チラリとカカシさんを見ると、ホッとした顔をして微笑んだ。

「良かった。嫌われた訳ではないよね?」

月明かりの下。
そんな些細な事なのに、本当に嬉しそうに微笑むカカシさんは、こっちが泣きたくなるくらい綺麗だった。

そんな顔をさせているのは俺なのに。何も言えない。


「おやすみなさいイルカ先生。…これからも声かけたりしていい?」
「もちろん…です。俺も声かけます。」
「…ありがと。」

そのひと言と煙を残しカカシさんは、その場から消えたのだった。
いつもなら、俺のアパートの近くまで一緒に歩いて行くくせに。
ああ そうか。
反対方向へ帰るはずのカカシさんが、いつも「話が尽きないね〜。」と一緒に着いてきていたのは、俺の事を思っていたからで…。

なんだろう。
今日「ふられた」と言っていたのはカカシさんのほうなのに。

胸が苦しい。
カカシさん。ごめんなさい。俺、何か間違っていたのかな。

涙が出て止まらなく、親に叱られた子供のようにヒックヒックと喉を鳴らしながら俺はアパートに帰ったのだった。


あれから2週間近く経つが、不思議と(いや当たり前か…)カカシさんとは顔も会わせていない。
七班の任務報告書はサクラが代表として手に持ってやってくる。

「お願いします。」

今日もサクラがキリッとした顔をして俺の前に報告書を差し出した。

「うむ、御苦労様。…今日もカカシ先生は忙しいようだね。」
「はい。…もしかしたら上忍だけの任務に出るかもしれないからって。最近は私達との任務の後は上忍会議とか火影様の所へ行っちゃうから…。」

上忍だけの任務?
…あれだろうか。最近 戦況が悪化しそうで増援部隊を送り出すとか言っていた国境南東部での戦い…。
最初は小さな小競り合い程度だった筈が、業を煮やした相手側が手練れの忍者を増援させたらしいと言う…。

木の葉側も手練れの上忍達を増援させるつもりなのか。


「よし。報告書に不備はないようだ。御苦労様、サクラ。」
「あ、そうだ。カカシ先生がね、イルカ先生によろしくって。」
「え…。」

ニッコリ笑い肩あたりまで上げた手の、指先だけを「バイバイ」と動かして可愛らしい元教え子が部屋から出て行った。

胸がツキンと小さく痛んだ。
「よろしく」だなんて、忙しくて顔は見せないようだが気にかけてくれてんだ…。

顔…見たいな…。

「……クスッ。」
「どうした?イルカ。」

隣に座っている同僚が不思議そうな顔で俺を見る。

「あ、いや、何でもない。すまん。」


可笑しいものだ。
俺の方が彼に会いたがっている。
顔を見たがっている…。




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