※カカイル短編2※
□イルカ先生風邪をひく
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「先生?早く薬飲まないと。」
「あ、じゃあ自分で…。」
と、間近に有るカカシの顔をチラと見る。
赤くなっているように見える目元と、気のせいか鼻息も荒いような…
『 …てか、晒している目元だけでも こんなに美人さんなのに。』
皆が知りたがっている彼の素顔は どんなものか…
『ナルトが“たらこ唇かも”とか言ってたな。今ここで見なければ…』
彼 はたけカカシの素顔を知らずに一生を終えるかもしれない。
だからと言って困る事も無いのだが
知らないよりは知っていたい。是非知りたい。
とうとうイルカは 好奇心旺盛な性格が災いして こう返事をしてしまった。
「やっぱり喉が痛いし…飲ませて貰おうかな…」
そう返事をすると カカシの顔がパァッと輝き、先に「飲ませるか?」と聞いていたくせに
「いいんですか?いんですね?はい、決定。」
と、一人で確認して決定していた。
「じゃあ先生、口を近づけたら先生も口開けてね。薬飲ませるんだから。」
「う…はい。宜しくお願いします。」
イルカはカカシの行動をジッと見ていた。
『いよいよ拝めるぞ!カカシさんの素顔!!』
彼は徐に指先を口布へ持って行き、何の躊躇いもなく スッと顎まで布を引き下げた。
『 !う…!! 』
なに この人!! え?人間!? 俺と同じ人間!?
カカシさんの素顔は とてつもなく美しいじゃないかっ!!
『ナ‥ナルトの奴め!!たらこ唇だなんて適当な事言いやがって!!』
目を丸くしているイルカを余所に、カカシは錠剤と少しの水を口に含み
「 ん? 」と、口を開けろと目で合図してきた。
『あわわわわっ。神様仏様。これはカカシさんに薬を飲ませて貰うだけで…』
実はキスさえ未体験なイルカは、口うつしなんてのも初体験で…
近づくカカシに思わず口を結んでいたらしく
カカシの指で唇を軽くノックされた
『 ハッ!!口を開けなきゃだ!!』
言われていたのに忘れていた。口を開けて薬を…
「 ん… 」
カカシさんの唇が柔らかい あ 錠剤が入ってきた。それと少しの水…
「 ん ん…ん!?」
あれ?ん?何これっ!? 何やら蠢くものも口内に入ってきた。
『 て、 舌!?カカシさんの舌!?え?』
軽く自分の舌も吸われている気が…
「 ふんぐっ 」
イルカが変な声を喉から出すと同時にカカシもパッと離れ
「上手く錠剤飲み込めました?心配で舌で探ってしまいましたよ。」
と、言った。
『 あ そうだったんだ。俺ってば…。』
思わず『キスって こんな感じかな…』とウットリするところであった。
「ありがとうございました。」
「いえいえ。戦場に出れば無きにしも非ずな事態ですから…。」
無きにしも非ず。 て事は他の人にも飲ませた事が有るのかな。
ちょっと面白くない。
『うふふふふ〜。ラッキーvv。イルカ先生の唇ゲーット!!』
残りの水が入ったグラスを、台所へ持ってきたカカシは御機嫌だった。
「な〜にが“無きにしも非ず”だぁよねぇ。無いっての。」
瀕死の奴に水飲ませなきゃいけないなら他の奴にやらせるっちゅーの。
『俺の口うつしはイルカ先生限定で〜すv』
うふふ‥と、思わず笑いがこぼれ
『おっと いけない。先生が苦しんでいるってのに。』
洗面器に水を入れ、洗面所に洗濯物として掛かっていたタオルを手にした。
『これは…。』
トランクスも二枚干してあった
『うふふ‥クマちゃんの顔がいっぱい。』
可愛いキャラクターのクマの顔がスタンプのように沢山付いている柄と
そのクマの大きい顔が尻側にプリントされた物の二枚だった。
『…これって自分で買ったんだろうか…。』
ちょっとムッとしながら下着を眺める
どう見ても女が買いそうな柄…