捧げもの

□strawberry kiss
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せんせー、そんなだから女子にモテないんですよーって意地悪のひとつでも言いたくなるよ、もうっ!!

「ほらほらカカシさん!!こっち来て!!」
「 ? 」

しゃがんで手招きする先生の傍へ、ぽてぽてと近寄ると

「見て、ここ。赤い実が沢山付いているでしょう?1つ試食されませんか!?」

何かを自慢したがる子供の様に、ドキドキワクワクと言った顔の先生が可愛くて
思わずクスッと笑い「じゃあ1つ頂こうかな。いいの?」と答えてあげた。

食べますか!?そうですか!! そう言った先生の嬉しそうな表情から察するに
多分 自分も食べてみたかったのだろう。俺は共犯者と言う事で。

俺は先生の横にピッタリくっつくように並んでしゃがんだ。
そうして二人で赤い莓を眺め、美味しそうに熟れた赤い実を摘み取る。

「せんせー先に食べて。ほらっ。」
「わかりました。毒見ですね?」

あ、いや。そんなつもりじゃなかったんだけど。
でも先生は嬉しそうな顔で苺を見ると、パクッと1個まるまる口に入れた。
毒見としては、どーよ。もちっと恐る恐る食べてみなさいよ。

「お!? 甘いっ!!美味い!!やった!!」

初めてトライした割には上出来だっ!て喜んでいる。

「カカシさんも食べて?」

ワクワクした目でイルカ先生が俺を見て言う。
なので 俺も楽しそうに嬉しそうに莓を見て言う

「莓なんて久しぶりだなぁ。」

何年ぶりって感じかも。そんなに嫌いではないが。

俺は先生と違って、慎重に食べる派なので半分だけ口に入れる。

「!あ、美味しい!!」

程良い甘さが口に広がる

「先生!美味しいです!!」

くるりと先生を見ると、何故だか少し真剣な顔。

え? え?

『 ええーー!? 』

先生の顔が、俺の顔に近づく

『 え?先生からキス!? 』

てか、どうしたの!?この莓、催淫剤でも仕込まれてた!?

「!!? せん…せ? 」

先生の顔が、唇が、俺に近づき… ドキドキドキ…

て、あれ? 「先生?」

先生の動きが止まった。

「すみません。つい…」

先生が眉間にシワ寄せ頬を染め、顔を離して謝った。

「莓を食べるカカシさんが可愛かったもので つい…」

え? 可愛い? 俺が?

「せんせー酷いよ。キス寸止めってやめてよ。」
「え でも…」
「誰も居ないんでしょ?続きを所望します。」
「カカシさん…。」

先生は ほんの少しだけ躊躇ったけど
しゃがみ込んだまま俺の頬に そっと手を当て唇を寄せてきた。

甘い香りに包まれて、イルカ先生からのキスは

ほんのり莓の味がした。








※スパコミ前の話ですが、ゆりさんからの提案で「相互リンク」の記念として
「寸止めキス」「イルカ先生からの」と言うお題で作品交換をする事にしていました(^^)
なんだか題名からして乙女な感じですが、お許しくだされ(笑)

 


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