*過去拍手文2*
□クリスマスイブ(前編)
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【イルカの気持ち】
一週間前に俺はカカシさんを誘った
イブの夜に家に来るようにと
我ながら大胆な行動が取れたと
声をかけたあと角を曲がってから小さくガッツポーズをしたくらいだ。
『うみのイルカ、もう逃げることは出来ないぞ。』
心の中で自分自身を叱咤する
そう 今夜はクリスマスイブ
覚悟を決めた日から毎日体をゴッシゴシ洗ってきた。
今日も朝から何度も風呂に入り、体の隅から隅までゴッシゴシ洗った。
それこそ髪の先から尻のア… もとい
足の指先まで
『シーツも枕カバーも毛布も新しいものに換えた。うんオーケー。』
実は下着も新しいものを買った。
いつもより高いやつだ。ブランド品だ。
「なんか準備万端だな俺。」
ちょっと恥ずかしくなって誰も居ない部屋で独り赤くなる。
卓袱台の上にはクリスマスケーキとかオードブルとか
何故か寿司とか漬け物とか
酒はカカシが持ってくると連絡が有った
『え〜とカカシさんへのプレゼントは俺の近くに…』
チャコールグレイのカシミヤのマフラーだ。
でもメインのプレゼントは…
『 俺自身だ。』
ゴクリと喉を鳴らす
ピンポーン
『 き!来た…! 』
情けない事に少し手が震えたが、イルカは意を決したようにキリッと顔を引き締めて
カカシを招き入れるべく 玄関へと向かった。
後編へ続く