紅い隻眼の舞姫
□7話
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ジロー先輩と別れ、私は音楽室に向かっていた。
コンコン
『一ノ瀬玲です』
?「入れ」
音楽室のドアを軽くノックして中に入った。
『失礼します。榊先生』
そこには氷帝の音楽教師、榊…太郎がいた。
榊さんは私の父さんの知人で、私のおじさん。
榊「久しぶりだな玲」
『そうですね。最近は音楽の授業もありませんでしたし』
榊「・・・・・・腕の調子はどうだ?」
深刻そうに榊さんは私を見た。
『・・・・・・・・・・・・・・・大丈夫ですよ。少しずつですけど、回復していってるそうです』
私は自分の右腕をさすった。
事故で使い物にならなくなったこの腕は、少しずつだけど回復していってる。
榊「玲・・・・・・最近は、テニスは」
『やってません。相手がいませんから・・・・・・強い、相手が』
榊「そうか・・・・・・・・・」
『あ、気にしないで下さい。榊さんの責任ではありませんから!』
榊「ありがとう。それでは本題に入ろう」
手を組んで榊さんは真剣な目で私を見た。
榊「玲、テニス部のマネージャーに『嫌です』・・・・・・玲」
『いくら榊さんの頼みでも、それだけは嫌です』
榊「・・・君がテニス部を毛嫌いしているのは承知している。だが・・・」
『マネージャーなら一人いるはずです。今更、他にマネージャーを増やす必要はないと思います』
私は椅子に腰掛けた。