狼も歩けば恋に墜ちる

□第1話
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「山田ぁっ!聞いてくれ!」

「なに、お前の今の顔面白かったぞ」


ざわざわと朝特有の居心地の悪いざわめきをBGMに、前の席に座っている友人にすがりつく。

こっちは、今からそう簡単には話せない大事な相談をしようとしているのに、目の前の友人は意地の悪そうな笑顔でどうでも良い事を口にする。

少し拗ねた態度を見せてみれば友人は満足気に俺の用件を聞いてきた

騒がしくなる周りの中、少し戸惑いながら口を開き、友人にだけ聞こえる声で言い放つ


「俺、ストーカーされてるかも」


決心してそう告げると、目の前の友人は笑うよりもどこか呆れた可哀相な目で俺を見てきた。
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