狼も歩けば恋に墜ちる
□第3話
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俺は、何処にでも居そうな平凡男子高校生だ。
自他共に認めるだけあって、決して無自覚な美人とかではない。
本当に根っからの平凡なのだ。
そんな何の魅力もない俺だが、この間、地区最強と呼ばれる不良様に、人生初の告白をされた。
しかも、奴は俺のファーストキスを奪い、さらには男にモノを慰められるという、なんとも屈辱的な行為をされた。
そして挙げ句の果てには、あれから全く俺に詫びを入れ用途はせず、もう一ヶ月も姿を見せていない。
一応、捺樹も俺と同じこの高校だとは分かるのだが、学年もクラスも全く知らない為、こちらから押し掛けることはできない。
まぁ、今まででも毎日は出席していなかったとは思うが。
「たーちーばーなーくんっ」
「、わっ…」
背後から首に回される腕。
慌てて、躓きそうになったのを近くにいた山田に支えてもらった。
首に掛かる腕の持ち主は、間延びした話し方と声質で、既に把握できている俺は振り向きもせずに眉を寄せる。