偽ソラ外伝

□いけいけぼくらのどくたーシャフト
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未だ固まったままの3人を余所に、ランスがパチパチと拍手を贈りながら、マイケル君を色々な角度から眺めている。
その様子に満足するように、ゲベルシャフトは頷いた。
掴みは上々のようである。その証拠にランスは拍手をしているし、他の3人に至っては、そのあまりの造形美に茫然としているではないか。



やがて(造形美の)ショックから立ち直った409号が、何故か一気にドクターに詰め寄った。

「何だアレは!?」

彼の襟首を掴んで持ち上げ、ドクターに詰問する。明らかに人に物を訪ねる態度ではないのだが、ドクターは何処までも寛容な心でその蛮行を許した。409号が普段からこのような行動を取る事がわかっており、尚且つそれが生半可な事では治らない事も理解しているからだ。

ドクターは足が地面に着かない事を無視して大きく頷いた。

「うむ!"朝焼けの向こうのハラショー君"だ!」
「名前ちが・・・いや、そうじゃなくてだな!」

被験者はようやくドクターの襟首を離すと、親指で次々とポーズを変えるハラショー君を指した。

ちなみに、先程名前が違うと被験者がのたまったが、ドクターは特に名前に思い入れはない。どうせ商品化してしまえば名前も固定されてしまうのだ。だからこそ彼は、自分の好きなように呼ぶようにしている。
しかし彼の天才的なネーミングセンスに着いてこれる人間は少なく、今のところ、天才のセンスを理解してくれる人材は残念ながら現れていない。


「うむ、よくぞ聞いてくれた被験者409号!」

409号の問いに、ドクターは口を開いた。
その内容は、実にセンセーショナルなものだった。
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