偽りのソラで

□決意
1ページ/28ページ




―――番いの鴉が、飛んでいた。





―――片方は、美しい黒の翼を持っていた。


―――片方は、鮮やかな銀の翼を持っていた。



―――二羽は、何処までも羽ばたいた。









―――ある日、その二羽は猟師に撃たれた。




―――黒い鴉は力尽き、銀の鴉も又、翼に傷を負った。







―――銀の鴉は、黒の鴉の亡殻に寄り添った。悲しそうな瞳で・・・・・・いつまでも。







―――やがて、黒の鴉の亡殻は朽ち果て、そこには何も無くなった。






―――しかし、銀の鴉は彫像のように動こうとしなかった。ただ、彼女の影を見つめていた。

―――いつまでも・・・・








―――いつしか、その鴉は、忘れてしまっていた。












―――飛び方を












―――歩き方も
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ