◇小説部屋◇
□井戸に導かれて
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かごめの知る楓の風貌より20歳ぐらい若い。
もしかしてあたし違う時代に来ちゃったの?
だから景色が違ったのだ。木の背も違えば、枝の広がりも心許無い。
見上げていた空から降りて来る雪に寒さを感じ、井戸の中に飛び込み元の時代へ帰ろうとしたが、ふと思い直し御神木へ向かった。
…彼が封印されている御神木へ。
犬夜叉は初めて逢った時と同じように御神木の幹に封印されていた。
…犬夜叉。寒くない?寂しくない?
時も寒暖も感じてはいないだろうが、50年もの間たった独りで封印されてなければならないなんて…。
かごめは頭や肩に積もる雪を丁寧に払いのけていく。
愛しい彼の胸に刺さる矢に目が行く…この矢を抜くのはまだ先の未来、今はその時ではない。