◇小説部屋◇
□井戸に導かれて
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かごめは封印されている彼の身体に抱き付いた。
少しでも温もりを分けてあげたくて…
ねえ…犬夜叉、もうしばらく待って居てね。
必ず貴方を迎えに来るから…
貴方が眠りから覚めたらずっとずっと傍に居させてね
だからもうしばらくだけ待ってて…
かごめは彼に絡む蔦に足を掛け冷たい唇に口付けた。
彼が目覚めた時が二人の始まりの時。
そして長い旅の幕開け。
どんな事があっても彼の傍に居る…口付けはその誓い。
かごめはもう一度だけギュッと犬夜叉を抱き締めてから身体を離して井戸へと歩を進めた。
彼が待つ時代へ帰ろう。
イライラしながらもきっと彼は待っていてくれる。
かごめが井戸に飛び込んだ数秒後、井戸の外から彼の声。
「ったく、おせーぞ!」
そう言いながら身体を引き上げ井戸から出してくれる。