都会の図書館

□ずっと貴方が大好き!
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「…はい、わかりました」
「帰国の手続きはこちらでやっておくから、君は安静第一にしてくれ」
「はい」

もゆは自分の身体の状況としなければならない事を聞かされた、そして最終的に日本に帰国し手術を受けることを受諾した。

「それじゃあ、私は点滴をとってくる。その間は安静にしておいてくれ」
「はい」

そういって、医者は部屋を退出した。
待っている間にもゆは本棚にしまっておいた

「…‥ほんとうは…この中に入ってるんだよね…」

雑誌の中にあるチームの写真、もゆのあこがれる日本代表
この形で翼達とともに写真に載ると思っていた。

「もゆ、入ってもいいかな?」
「…‥…うん」

ドアを開ければ、そこには岬がいた。
話を聞くと用事を終えて、お見舞いへと向かったのだった。

「岬君、ごめんね?今回の大会は…無理だって言われちゃった」
「そっか…‥」
「でもね、応援はいっぱいするつもりだよ!だって、みんなの晴れ舞台だもん」
「…‥もゆ」
「でね、さっき雑誌を見てたんだけど、やっぱり世界は違うなーって思うんだよ」
「…ねえ、もゆ」

もゆが話を進めているよそに岬はもゆの頬に指を添えた、そして強めに頬をつねったのだった。

「い……痛い痛い!岬君!」
「もうちょっと、わがままになりなよ」
「え?」

あまりに突然のことに目を点にする。
岬はそれでも話を進めた。

「いつもいつもがまんして、無茶して…小学校時代の時だって、Jrユースの時だって、自分の思っていること、考えていること全部我慢してた。それに今も」
「…」
「どうしてそんなに我慢するの?僕達友達だよね?友達なら…言ってほしいよ」

頬をつねるのをやめて、頭に手を置く岬

「だって…そういうことは好きな人に言いたいから…」
「…え?」
「私、恋人にしたい人の理想って言うのが強いの。家族にも友人にも親友にも話せないこといっぱいあると思う。だから好きな人とかにそれをぶつけて、お互いに愚痴を言い合ったりして…それが…私の恋人の理想なんだ」
「もゆ…」
「だから…岬君」

もゆがベッドから起き上がり、岬に飛びついた。いきなりの仕草に慌ててしまう岬だが、落ち着いてみてみるともゆは肩を少しづつふるわせていた。
そう、もゆは、泣いていた。
我慢して、ため続けていたものが自然と涙として溢れてしまったのだ。

「…‥もゆ」

しかし、岬はそれをなにかいうこともなく、ただただ、背中をさすり続けていたのだった。
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