都会の図書館
□大切なあなた
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「岬君!おまたせ」
もゆは、白いワンピースに背中には卵のリュックサック。両方には羽根がはえていた。
「ううん、僕もいま着たところだし」
「そっか…ねえ、岬君」
「なに?」
「今日は、どこに行くの?」
待ち合わせに指定した噴水の周りにはすでに子供達がぬるくなった水を手でかき回していたり、噴水の縁に座るカップルが見えたりした。
「そうだね…もゆの行きたかったっていうプラネタリウムとれたから、それを見に行って、お昼は、ピエールがおすすめしてくれたレストランに行こうと思うんだ」
「へえ〜!プラネタリウム楽しみだな!」
幼い子供のようにうきうきしているもゆをみて、岬もにっこりしていた。