都会の図書館
□プチ・ウェディング
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今日は、もゆと親友でもある千歳と琴袴の3人でショッピングに出かけた。
3人とも思い思いの物を買い、満足げだった。
「あ…」
「どうしたの?もゆ?」
千歳がもゆの方を振り向くと、もゆは、あるお店の前で立ち止まっていた。
千歳と琴袴も不審に思ったのか、そのお店の看板を見ると、
「…ちょっと」
「な………なにかな?」
「結婚しないって言ってなかったっけ?」
もゆが見ていたのは、ドレスや振り袖をレンタルする所だった。
ショウウィンドウには、真っ白なドレスが飾られていて、道を歩く人々の目にも留まる。
「もゆさんもこんなの着てみたいんですか?」
「結婚する気はないけどさ…でも…一階だけでもこういうのは着てみたいなー、と」
「結婚するからウェディングドレスを着るんじゃないの?」
「………」
千歳のもっともらしい意見の言葉をつまらせるもゆ
それでも、数分程度は、そこを離れることはなかった。