都会の図書館

□大切なあなた
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話は先日になる
岬の元に電話が入った。

【やあ、ミサキ明日誕生日だったよな?】
「うん、もしかして…そのために電話してきたの?」
【ああ、誕生日おめでとう】

久しぶりにきいたピエールの声。
ライバルでもあり友人でもある2人。
今は、別々で暮らしているため会う機会もすくなくなっている。

【そうそう、もゆさんは元気かい?】
「もゆさんって…彼女は僕らと同い年なんだからさん付けはどうかと思うよ?」
【俺が勝手にそう呼んで居るんだ。気にするな】

気にするなって……岬は少しだけ疑問に思いながら話を進めた。

「それで、もゆは、今いないよ?リアちゃんとトウマ君と買い物に行ってるから」
【いや、逆に好都合だ】
「え?」
【お前、もゆさんのこと好きなんだろ?】

突然のことに、岬はぴしりと固まってしまった。そして、冷静になり、話し始める。

「な…どうしてピエールがそんなことを知ってるんだよ」
【それぐらい、俺の耳にも入ってくる。もゆさんは、こっちでも人気なんだから】
「そ……それで?」
【そうだな…彼女をデートに誘ってみたらどうだ?】
「え…え!?」
【レストランでいいところを知っていてな】



−−そんなこんなで、岬は誕生日にもゆをデートに誘うことになった。
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