◆なとなと 番外編◆

□甘い災厄
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甘い災厄



最近の夏々都は、少し挙動不審で、そっけない。 
まつりは、それが不思議だった。
最近夏々都と遊んであげられなかったので、怒っているのかもしれない。

ちょうど5月のはじめはゴールデンウィークだし、この機会に沢山遊んで、思い出を作ってあげようとまつりは考えた。わーいとはしゃぐ彼が目に浮かぶ。


そういえばこの前、ホテルはどこにするかと聞いただけなのに、びくっと肩を揺らして硬直していた。

 意識があるときの夏々都が、自らの意思で嫌がらずにまつりの接触を受け入れたのは、あの館から帰ったときが初めてだ。

事故でも強制でもなく、抵抗されずにまつりに身体を預けて──いや、とりあえず、それにしたって別にそんな大した出来事はなかったという気がするのだが、普通あれだけで、あんなにうろたえるものだろうか?

まつりの普通、は普通じゃないらしいので、まつりは夏々都の感覚がよくわからない。

「うーん……」

ベッドでごろごろ回転していると、勉強中だった夏々都が、椅子に座ったまま、うるさい、と訴えてきた。なんだよ。
まつりは夏々都を心配してやってんのにさ。

「どうしたんだよ、さっきから唸って。気になって仕方ない」
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