森と君と+呪いたち

□4:太陽を、願う
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何かをどう言おうかと真剣に悩み始めたセイを見て、ドゥロロが、あわてて付け加える。


「あー寂しい? 寂しい?ここの近所にあるマンションで、独り暮らしをするんだけど」

瞬時に、何か虚しくなって、セイは拗ねたくなった。

「……ああ、そう」

「冷たい反応だなー。もっと嬉しがってくれてもいーのに」

「じゃあ、ちょうどいいな。夕飯の買い出し行って来てよ」

「えー」

もともと、母が仕事で家を空けることが多いので、そんな日はセイが普段一人で家事をしていたのだが、兄弟が増えた頃には、分担するようになっていた。

「あ、魚を取ってきたり、その辺から木の実取ってきたりしたらだめだぞ」

「厳しいー」

「どのへんが厳しいんだよ?」

セイが不満そうに聞くと、ドゥロロは一瞬語ろうとしたが、すぐに切り替える。

「そりゃあ、いや……そうじゃなくて、独り暮らしする方に食いついてよー!」
「良かったじゃないか。ああ、そっか、うちの子じゃなくなるから買い出しは行かないって話? まあ、いいじゃん。今日は一緒に食べれば」

「……明日も食べに来るよ」

「おー、わかった。じゃあ、行ってらっしゃい!」


玄関から財布と共に送り出され、ドゥロロはため息をついた。
やはり、一日中ターゲットと共に過ごすというのは思ったよりも心身的に疲弊するようで、ドゥロロは暮らしてから一週間で、一人の空間を得ることにしたのだ。

彼はずいぶん前からセイのことを知っていた。
探しているものがあって、求めていることがあったからだ。

彼は、もともとは森に住み続けていた《何らか》だった。そして、その崩壊も、主の消滅も、目の当たりにしてきた。
自らの出で立ちは、あまりわからない。ただ、ずっとそうしていた。

そんなある日、セイの一人目の母に託されたことがあった。
そして、それは、二人目の母にも任された。

──あの子を、野放しにしてはいけない──
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