籠の中の蛇

□七夜
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「モルさんは〜、故郷の船に乗るためにバルバットを目指しているんだよね。」


爽快な晴れ渡る空の下、木々が生い茂る道を二人の子供が歩いていた。
一人は青い髪を三つ編みにした少年と一人は赤い髪に特徴的な目をもつ少女。
少年…アラジンと、少女…モルジアナはバルバットを目指していた。

「はい…それと…あなたと、アリババさんに会いたいと思ってました。…お礼がしたくて。」

「おれい??・・・そっか、宝を使って、アリババくんが身分を解放してくれたって言ってたねぇ…」

二人は会話をしながらも進んでいき、砂漠が見えていた風景とは変わって、周りはすっかり木々に囲まれていた。
モルジアナは少し俯いて、奴隷のころを思い出しながら続けるように話した。

「お二人に奴隷身分から解放して頂かなければ…ゴルタスとの約束を果たしに、故郷を目指せはしなかったでしょう…。自分の意思でやりたいことをやるなんて…あなたたちに出会う前は、考えもできなかったこと…。」

そこまで言うと、モルジアナはアラジンを真っ直ぐに見て微笑んだ。

「私に、自由な未来を与えてくださって…本当に感謝しています・・・・・ありがとうアラジン。」

アラジンはニッコリと笑って見ていたが、モルジアナが難無く思って土下座をし始めたのを慌ててやめさせる。
二人は再び会話をしつつ、真っ直ぐ目的地を目指せ歩く。

しかし、その二人は立ち止まらざるを得なくなった。







「やあ、君たち!今日はいい天気だね。」



何故ならば、局部を葉っぱ一枚で隠した、ほぼ全裸な男が惜しげもなく両手を広げて立っていたからだ。

二人はしばらく何がおこったか分からないように呆然とその男を見つめていたが、ハッと現実に戻るとそれぞれ戦闘姿勢にはいった。

「モルさんあぶない!!さがってここは僕にまかして!」

モンスターかもしれない!とアラジンが攻撃を仕掛けようと杖をかまえた。



「えっ!?いや、違うんだ!!話を聞いてくれ!!」


そんなアラジンとモルジアナを見て男は必死に話を聞いてくれっ!!と慌てた。



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