ダイヤのA

□三話
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現代文の時間。
ものすっごくねみい…


「ふあ・・・ふぅ。」


あくびを一つして頬杖をつく。

あーソフトボールやりてえな・・・。
でも今日は監督いないから無理だし・・・コーチなんて元からいねえし・・・。

朱莉は・・・そうだ、今日はオフなのわかってたから妹と買い物だっけか・・・

手を握ったり開いたりしてると後ろの子に肩を叩かれた。


「これ、御幸くんからっ」

「ん、あーありがと。」


少しむすってしてるけど・・・ま、仕方ねえよな。
御幸モテるし。

ペらりとみるとそこにはでかでかとこんな文字が書かれていた。


『寝るからノートよろしく!』


ーアイツ後でぶん殴るっ!!


ギロッと斜め後ろの御幸を睨みつけていたがもう伏せて寝ていたため諦めた。
仕方ない。綺麗に取ってやんないと文句言うもんなー御幸。

そんなこんなで真剣にノートをとることにした。



















「あれ、真月帰るの?」

「うん、今日は部活オフなの。
 監督いないからさー。」

「え、でも明日試合なんじゃなかったかあ?」

「・・・仕方ねえよ、監督いないと意味ねえもん。コーチも居ねえしさ。」


アタシは苦笑いして言うと洋一と御幸に別れを告げ、河川敷へと向かった。
橋にチョークで円を書いて、そこに投げ込む。

朱莉もいないし、みんなオフだから道具持ってないし・・・これしか方法ないもんな。

そんなこんな考えながらボールを投げ込む。


『コントロールが良くて、スピードもキレもある。
 ただし、少し回転が足りないからそこは気をつけた方が良いな。』


哲也さんに確かそう言われたっけか・・・。
本当に哲也さんかっこいいよなー。
努力型クラッチヒッターだもんな、うん。


「本当に・・・憧れるよ。」


そう呟いてボールを投げ込むとストライクゾーンに入った。
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