ダイヤのA

□五話
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9時に朱莉の家に向かうと、朱莉はもう玄関で待っていた。
アタシを発見して手を振る。


「お待たせ!」

「きっちり9時とか・・・アンタらしいね」

「でしょ?」


苦笑いする朱莉に笑顔で答えると腕をひかれ目的地へと向かった。









「で、朱莉さん。」

「はい?」


キョトンとした顔でアタシを見る朱莉。


「行く場所はどうせ野球グラウンドでしょー?
 青道・・・野球の試合あるそうですねー」

「・・・知ってたの?」


うげって顔でみる朱莉。失礼だ。


「昨日御幸に教えてもらってね。」

「そうなんだー」

「で」

「で?」

「誰目当てなの?」

「は、はあ!?」


顔を真っ赤にしてアタシをみる朱莉。
あーわかりやすいなこの子・・・。


「もしかしてだけど…よーいち?」

「ち、ちちちちがっ」

「あははっ大丈夫!誰にも言わないって!!
 ほら、急がないと間に合わないよ!」

「うっ・・・真月の馬鹿あ!」


そう言って笑いながらベンチに向かった。
ベンチには先輩方も揃っていて、監督もすぐに見つけた。

久々に見たがグラサンこえーなあ。外見は。
アタシ達に気づいたのは意外に純さんだった。


「よぉ!昨日の試合はどうだった?」

「ふっつーに勝ちましたよー。
 逆転です、サヨナラです。」

「へー凄いね。」


亮介さんがアタシ達の所に来て言う。


「で、誰が打ったの?」

「もちろんアタシですよ。」

「嘘つけー。」

「ひどい!?」


コントをしてると遠くで練習していた御幸と倉持が
アタシ達に気づいたらしく走ってきてくれた。


「ヒャハッ真月に朱莉じゃねーか!
 観に来てくれたのか?」


倉持がグローブを外して言う。
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