ダイヤのA

□六話
1ページ/5ページ

年はあっという間に過ぎ去っていって――アタシ達はもう二年生になっていた。

部員も一年生が増えて、順風満帆だった。

だが・・・


「先輩、やっぱ御幸先輩って彼女さんいるんですか!?」

「どんな人が好みだと思いますか!?」


こんな質問が毎日だ。
頬杖をつきながら後輩二人を見てると溜息をつく。


「さーあ、どんなんだろうねえ・・・
 御幸は性格悪いよー。
 大体の人の性格をオッケーするんじゃない?」

「そんな投げやりですよ!!」

「先輩はどんな人が好きなんですか?」


いちばん大人しい後輩に聞かれる。
・・・・・ってアタシか!?


「そうだねー・・・」

「あ、アタシも気になる。」

「朱莉・・・」


にししっと笑う朱莉にもう一度溜息。
そして空を見上げながら呟いた。


「・・・約束を護ってくれる、温かい人、かな・・・。」


あの両親とは違う、とても優しい人―――














「だってさ。」

「なんでお前が知ってんだよ降谷!!」


いきなり大声が聞こえ面白そうなので御幸は一年生組のもとへ駆け寄る。


「なに話してるんだよー。」

「げっ、御幸一也っ!」

「いえ、実は沢村と仲良い先輩の話しをしてたんですが。」

「言うなよ!」


その場にいたのは降谷、沢村、春市だった。


「先輩と同じクラスの真月先輩のことですよ。」

「真月ちゃん?」


(が、なに??)


という前に降谷が口に出す。


「好きな男性の話しをしていた、って話です。」

「・・・・・へー。」


御幸は面白そうだといういつもの笑みを浮かべているが
正直内心大変なことになっている。


(真月の好きな人!?いるの!?
 誰だよ、それ!!

 先輩?それとも後輩?いや、同級生が一番可能性が高いけど・・・
 え、全然知らないんだけど!!)


「御幸先輩?」

「あ、な、なに?」

「だーから!これは内緒なって!!
 流石に真月先輩にばれるとなんか嫌って言うか・・・」

「俺あった事ないんだけど。」

「うるせえ!」


そんな一年生トリオの話。
いや、だから好きなやつ誰なんだよ!!;


「でも実際名前を聞いてるわけじゃないしいいんじゃないかな?」

「でもさー・・・。」

「で、誰なの?」


身を乗り出して聞いてみると沢村が「ぜってえアンタには教えねえ!!」って怒鳴ってきた。


(俺一応先輩だぜ?)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ