ダイヤのA

□五話
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「まあ、野球のプレーって偶にソフトにも対応できるからね・・・。」

「ほんとお前らソフト馬鹿だよなー」


そう言って倉持は笑う。
なんとなく答えた朱莉も朱莉で顔を少し赤くして俯いていた。
おいおい・・・


「じゃあそこの野球馬鹿にも言ってやんなさいよ。」


そう言って御幸を指差すと御幸はヘラッと笑う。


「お前らほどじゃねーし」

「嘘つけ。
 下手なプレーすんなよ、御幸。
 アンタのプレーを朱莉がお手本にするんだから。」

「はいはい。」


そんな話をしてると礼さんが試合5分前と選手に伝えた。


「じゃあ、俺はもう行くな!
 アップで走っときたいし!」

「が、頑張れ!」


朱莉がそう言うと倉持は少し目を丸くしていたが
いつもの笑顔を見せ、朱莉にハイタッチしてから先輩たちのもとへと向かった。


「あー時間経つの早いなー・・・
 仕方ねえや、俺も行くかな。」

「カッコいいプレーみせろよ、御幸。」


アタシみたいなのは無理だろうけど!とニヤニヤして言うと御幸がふと笑う。
その笑顔に一瞬ドキッとした。


「任せとけよ。」


そう言ってアタシの頭を一撫でして、御幸も先輩方のもとへと向かった。
なんとなく体が熱くなる。
なんだこれ!!?














「やーけに楽しそうだったねー二人とも。」

「「げっ亮さん・・・」」


二人を待っていたのは黒い笑みを浮かべる亮介だった。
そして二人の頭をがしっと掴んだのは――


「余裕があるってことだよなあ・・・ヘタなプレーしたらどうなるか覚悟しとけよ、ごらあ!!」

「「うっす!!」」


純だった。
二人でこっそりと話をする。


「先輩達って俺らが真月達と話してると怒るよな。」

「ヒャハっヤキモチってやつか?
 真月モテるし!」

「だったりして」

「「なんかいった/か?」」

「「いえ、なんも。」」


そこはきっちりと守り抜く御幸と倉持だった。
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