ダイヤのA

□十三話
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カキーンッとバットの奏でる金属音。
心地よいが音が響き渡る。


「良いねー良い音だわー。」

「全くだわー。」

「でもさー」

「んー?」


「なんでアタシまでこっち打たなあかんのじゃぁああああぁい!!」


カキーンッ


「おぉ、良い当たりだね。」


亮さん、そういう問題じゃないよ。
朱莉も苦笑いしていた。
ただし、朱莉はトスだ。アタシとは違う。


「金丸くんどういうこと!?ねえ!!?」

「いや、俺はなんであんたたちがここに居るのかが謎なんすけど」

「馬鹿な監督のせいだよ!!」

「ばっ…!?」


何気金丸くんとはこれが初めての会話。
コミュ障じゃないのね、良かった良かった。


「文句言うくらいなら見学してりゃあいいじゃねえか!
 このやさぐれ!!」

「あーあーあーあ!!
 なんぼでも文句言ってやりますわ!あの高島監督に!!
 てか純さんアタシよりも飛距離縮んできてますよ?」

「!う、うるせえ!!
 なわけねえだろうが!!」

「ははっどうだか!!」



「…ねえ、兄貴。」

「なに春市。」

「なんで言い合いしてるのあの二人。」

「さあ」


肩をすくめる亮さん。
文句言ってたら飛距離が伸びてた。
うん、最高。


「真月、朱莉。」

「「!!」」


後ろを振り向けばクリス君がいた。


「ピッチング、初めて良いぞ。」

「「はいっ!!」」


そう言ってアタシたちはブルペンに向かった。
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