ダイヤのA

□十三話
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「お願いしやっす!!」

「おねがいしまーす。」


「うわ、挨拶の仕方が全然違う」


そう言って笑っているのは御幸だった。
ブルペンには御幸、川上、丹波、宮内だった。


「あれ、栄純君たちは?」

「あぁ、アイツ等なら外野守備とかいろいろしてる。」

「…へー。」


チラリと見てアタシはグローブを装着する。
朱莉も防具をつけていた。


―外野…打つとこに力入れるのか。
 降谷くんは打撃面強いし…


「目標何球?」

「午前中で350。」

「オッケー」

「「「「3…!?」」」」


丹波さんまで驚いていた。
なんだ急に。


「あんま無理すると肩壊すぞ…?
 まだ日にちもあるし…」

「いや、でもさ。」


パンッとボールをグローブに収める。


「いつもやってるから慣れっこ。
 強いて言うなら50増やしただけ。」

「な…!?」


御幸くんそんなに驚かなくても。


「一也くん、真月に何言っても聞かないよ。
 この子のピッチャー責任は誰よりも強いから。」

「まあな、大國先輩のためにもコントロールと体力は付けないとね。」

「これ以上化物になって何が良いんだ。」


丹波さんがため息をつく。


「良いんすよ。
 朱莉とソフト部のためならなんだろうとやります。
 その思いで一球一球投げ込んでますから!!」

「「!!」」

「朱莉っやるよ。」

「はーい。」


そう言ってアタシはボールを構え朱莉にボールを届ける。


「…ったく…真っ直ぐすぎるだろ。」

「…負けられんな。」
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