ダイヤのA

□十三話
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「いっただっきまーす」


マネージャーの作っていた昼飯を食べる。
うん、うまい。


「なんか合宿って聞いてたけど、
 俺寮だしいつもとあんま変わんないっすね!」

「まあ…いつも通いのみんなが寮に泊まるだけだからな。
 あとは化けもんが増えただけ。」

「おい、誰のことだこの猿。」


倉持の頭をぐりぐりとしていると朱莉も栄純くんのとなりに来た。


「でも2面あるうちに20人だけ。
 いつもとは全く練習量が変わってよりハードになると思うよ?」

「だなー。
 それにみんなサポートしてくれてるし感謝しないとね。」


良い人ばかりだ。
うんうん、と頷いているとふと影が重なる。
不思議に思って上を見上げた。


「あ、降谷くん?」

「…真月先輩…」

「ん?」


ぐだーっとアタシに体重を任せる降谷くん。


「おう!?
 ど、どーしたの!?」

「…早く投げたい…。」

「あーはいはい、なるほど…」

「おい降谷!!なに抱きついてんだよ!!」

「…。」

「無視すんなー!!」


ぎゃいぎゃいと騒ぐ栄純くん。
なんか犬と猫の喧嘩みたいで面白くなってついつい笑ってしまった。


「今は大事な時期だよ二人とも。」

「「!」」

「外野をやれば周りのプレーもよく見えるし、肩の強さも作れる。
 それに外野からホームは力、コントロール、スピードも重要視される。
 だからこそ、今はそっちに集中するのも良いんじゃないのかな?」

「スピード…」

「コントロール…」

「だから頑張ってね。」


そう言ってアタシはおにぎりをくわえて歩き出す。
キラキラ瞳を輝かす二人の姿など知らずに。
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