ダイヤのA

□四話
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試合が終わり、御幸に呼び出された真月はまっすぐ野球グラウンドに向かっていた。


ーおい、なんで野球グラウンドに向かってるんだよ。


ツッコミを心の内に秘め、御幸の後ろを歩く。
一言もしゃべってない。


ー明らか怒ってんじゃん・・・


溜息をつくと御幸は足を止めた。
見るとそこはマネージャー室らしい。

鍵を開け中に入ると椅子を指差され、座るように言われた。
逆らうと何を言われるかわからないため、渋々座る。


「真月ちゃん。」


ぽつりと呟かれた御幸の声に真月はビクッとした。
俯いたまま口を動かす。


「なんすか。」

「肩、やっぱ痛むんだろ?」

「そんなこt「嘘ついたらこちょばしの刑な?」・・・お前には関係ない。」


そう真月が言うと御幸は大きなため息をつく。
そのままガシッと頭――より額?――を掴まれる。
ギリギリという音と同時に力が入ってるのがわかる。


「いだだだだだだだだだだ!!?」

「あーなんだってー?
 なーんも聞こえないなー?」

「うそつけ!
 いだっちょっ痛いっ!!
 ごめんなさっ痛いよ御幸――っ!!」


大声を出すと解放された。


ーい、痛かった・・・


「言っておくけど、肩のヤツ・・・キャッチャーの子も気付いてるぜ?」

「は!?」

「まーばれないようにしてるのはわかるけど・・・
 キャッチャー軍を侮っちゃあいけませんなー良く見てるんだぜ?」


トントンッと自分の眼の下を押す御幸。
それを聞いて目を丸くしていたが
観念したのかユニフォームのボタンをはずし半そでのアンダーシャツに真月はなる。

袖を捲り上げると真っ赤にはれていた。


「うっわ!
 予想以上だな、おい・・・;」

「・・・知るかよ。」


ぶすっとして真月は言うと
「ん」と短く言って御幸に腕を伸ばす。

それを御幸は確認すると苦笑いして救急セットを棚から取り出した。
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