お前なんか嫌いだ

□一秒の世界すぎる
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今日は恋人とのデートの予定だった
しかし外はバケツを返したような雨
おまけに強風で交通機関が麻痺
遠くから来るはずだった恋人は電車にのれず、今日のデートは断念

「…はあ」

そりゃあため息ももれる
なんたって遠距離恋愛、会いたい時に会えないから余計凹む
そんなことを考えながらフランシスは乗るはずだった愛車のキーを右手の指でグルグル回していた

(今日会えなかったらいつ会えるんだろう…アイツも忙しいからな、きっと三ヶ月くらい会えないんだろうな…)

考えれば考えるほどブルーになっていくフランシスは、これまた盛大にため息をついた


しかし、フランシスの意識とは別に動いていた右手は加速を続けており、ついには指からキーが勢いよく吹っ飛んだ



「あ」

と言うより早いか同時にキーは花瓶に当たり、倒した
倒れた花瓶は大量の水を床にぶちまける
その水に驚いたペットの猫は毛を逆立て、窓の方へ駆けていく
そして、窓の外で雨風をしのいでいた小鳥が心を驚かし、玄関の方へ飛び立つ
すると、玄関の前でインターホンを鳴らせず豪雨のなか一人モゴモゴしていた紳士が雨風に負けないくらいの大声で「うわあっ?!」と情けない声をあげる
その声に聞き覚えのあるフランシスはハッとして玄関にもうダッシュ、勢いよく扉を開ける



「Hello、Arthur!」
「Bonjour、Francis」


フランシスは恋人に熱いキスをして、部屋に入れる



もちろん、部屋に戻って真っ先にしたことは…


































倒した花瓶の片付けに違いない

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loveがたりねぇ

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