お前なんか嫌いだ

□英女体化
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『…アロー』
「hello」
『どうしたの坊っちゃん?』
「今から来い」
『え?何その色気のないお誘い』
「緊急だ」
『緊急?まあ良いよ、丁度近いし。近いってもあと一時間かかるよ?』
「とりあえず来い」





というのが今朝きた電話
いきなり恋人にお誘いとか、愛が足りない
いや、ある意味あるのかもしれないが
まあいいや、とにかく今は目の前のインターホンを鳴らそう

「…アーサー?」

出ないよ、人を呼びつけといてこれってどんな暴君よ
ま、こんな時ように合鍵の場所を教えられてあるけど、お粗末だねぇ
後で言ってやんなきゃ


「…アーサー、お兄さんが来てやったぞ」
「うるせぇハゲ」
「ちょぉ、お兄さんはまだハゲてません!ってかハゲません!」

アーサーはリビングのソファに座ったまま、つまり俺に背を向け、腕をくんで話す
あのねぇ、親しき仲にも礼儀ありって菊がいってたぞ

「アーサー、ちょっと酷すぎない?」
「うるせぇ!!!早く来ないお前が悪いんだバカァ!!!」

声が震えてる
え?泣いてるの?なんで?
もしかして、朝呼び出したのは何か重大な事があって…
そうだ、緊急だって言ってた
なんだ?何か大きな病気が見つかったとか?誰かに脅されてる?まさか別れようって…!!!

「アーサー…!!」
「う、ふぅ…ひっく…」

アーサーの正面にかがんで顔をのぞきこむ

「アーサー?どうした?何があった?」
「ふらんしすぅ…」

[ぽよんっ]

「へ?」

アーサーが腕組をやめると、テニスボール程の盛り上がりが二つ、ぽよんと言う音と共に飛び出た
それも胸のあたりから

「ふらんしすぅ…これ…」
「え?な、なに?」

アーサーの顔をのぞきこむ
睫毛が長くって、目がくりくりしてて、顔がいつもよりシャープで、首も、肩も、からだ全体がいつもより少し小さくて…

「アーサー…これは、どういう…」
「ぅ…」




「女になってるぅ?!」

思わず叫んでしまった

「うるさい、叫ぶな」
「だ、だ、だって、見た目は…ちょっとは変わってるけど…」
「うるせぇな、胸がないのはしょうがないだろ」
「いや、そういうわけじゃ、ってか普通にあるよ?」
「もっとこう、揉みがいのある胸がほしかった」
「オッパイ星人はだまりなさい」

今のアーサーは、まあいつもより若干小さめってくらいであまりかわり映えしない
まあいつもが可愛いからなんだけど

「で、どうすんのよ」
「どうするもなにも、この状態じゃ外には出れないだろ」
「うーん、まあ…そうかな…」
「おい出てもバレねぇとか思っただろ」
「思ってない思ってない」

思ったけど
じゃあなんだ?アーサーは、つまり俺に世話してほしいと、そういうことなのか
お兄さんは構わないけど…

「いつもどんの?」
「後一週間」
「一週間も?!」
「仕方ないだろ、妖精達が勝手に遊んだんだから」
「妖精ねぇ」
「あとよ、一週間ってのは通常通りまったきかんで」

「ヤれば即終了」

「…なに、アーサーは俺としたくて呼んだのかな?」
「ちげぇよこの愚民が」
「ぐ…」

恋人に向かって愚民とか、なんて女王様なの
ちょっと気持ちよかったとか無いんだからね!

「…で、女王様はわたくしめに身の回りの世話をしてほしいとおっしゃるんですね」
「お前しばくぞ」
「ぎゃー!!!もー、暴力はダメだから!!!」
「…とにかく、俺は外に出れないから買い物に行け」
「もう命令形なのね」
「断るつもりなのか?」

どうせ断れないだろう、と鼻を鳴らすアーサー
その顔は、やはりいつものように強気に、しかし可愛らしく…


「…わかりましたよ女王様!!!」
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