お前なんか嫌いだ

□魅力戦争
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…事の始まりは俺のこの一言
「ルートは、俺には勿体ないね」
ルートは少し驚いたあと、「何いってるんだ、お前のが勿体ないだろう」なーんて
それからなんとなくお互い譲らず、まあ本気で相手が自分に勿体ないと思ってるからだろうが
結果…




「ルートは頭が良い!」
「それを言うならお前もどっこいどっこいだ」
「俺はルートほど真面目じゃない」
「しかし、お前の柔軟性を俺は持ってない」

こんなことに
はたから見るとただのろけあってるだけなのだが、俺たちは結構本気で言い合ってたりする

「ルートの力持ちに憧れる」
「フランシスの体つきに見とれる」

ルートの力持ち、もといムキムキが好きだ
筋肉が、というよりは男として、恋人としての憧れだろう
ルートみたいにムキムキだと、やはり強く見えるし、頼りになる
やっぱり安心感があるよな

「男前!」
「美形」

ルートは男前だ
骨格もさながら、全てが男らしい
ほりは深いし鼻は高いし、目もとも一見怖そうだが以外と優しい
なんだかんだ可愛いもんだ

「オールバックでスッキリ引き締まって見える」
「ブロンドの長髪でふんわり柔かい雰囲気だ」

オールバックは誰にでも似合うわけじゃない
やはりもとの顔が良いから、バランスよくかっこいいんだと思う
髪を下ろしてもいいな
どっちも好きだが、下ろしたのは心を許された感じがする

「声がかっこいいよな!」
「声が可愛い」
「ちょ、お兄さんのは可愛いくないよ」
「可愛いぞ?」

そういって微笑むルート
くそっ、かっこいい

「…今かっこいい」
「今凄く可愛い」
「ばっ、可愛いくない」
「なぜだ?こんなに顔を赤くして、可愛くないわけないだろう」

まっすぐ目を見つめて真顔で言う
やめてよ、お兄さんそういう顔好きだから
もっと顔が赤くなる

「え、えと…」
「柔らかい」
「う…」
「良い匂いがする」
「…ぁ…」
「目が優しい」
「ちょっと…」
「みんなに愛される」
「…っ」

言い返せない
いや、ルートの魅力はたくさんあるのだが、それより恥ずかしすぎる
まさかこんなにルートが言ってくるとは思ってもみなかったし、こんな風に見てくれてるんだと思うと…

「俺の勝ち、だな?」
「う…くそっ…」
「まったく、お前ってやつは」

大きな手で顔を包み込まれる
温かい…すごく気持ち良い
ああ、やっぱり好きなんだな

「…そんな可愛い顔をするな」
「してない」
「している」

ルートの顔が近づいてくる
キスするのか…
あれ?俺たち何してたんだっけ?
忘れちゃったな…

ま、いいか


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よくないですよフランシスさん

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