お前なんか嫌いだ
□愛愛愛
1ページ/4ページ
愛してる
love好き大好きlove愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるlovelovelovelovelovelovelovelovelovelovelove
狂おしい程に
−−−−−−−−
遠くで揺れるブロンドの髪は風に吹かれて輝いている
その人は美しく暖かい風に頬を緩めている
ああ、なんて綺麗なんだ
きっとお前は俺が見ているのを知らない
俺はここからお前を見守っているんだ
…
『あはは、ギルってば子供!』
『ちょっ、馬鹿にすんなよ?!』
『ギルちゃんガキやわ〜!』
楽しそうだな
今日もあの二人と一緒なのか
ギルベルト・バイルシュミット
銀髪でがたいのいい男
好きなものはジャガイモ、メイプルシロップと子供の味覚の持ち主
アントーニョ・フェルナンデス・カリエド
茶髪でくせっけのスペイン人
トマトが大好きで自称親分
子分と称しているロヴィーノ・ヴァルガスを溺愛している
あの三人は幼馴染みでよくつるんでいる
ブラコンのギルベルト、ショタコンのアントーニョ、女好きのフランシスと似た者同士気が合うのだろう
皆性癖が大分屈折してるのは間違いない
『この間新しくショッピングセンターができたよな』
『お兄さん行ってみたいな〜』
『ロヴィ連れていってやりたいわ』
『今度皆で行こうか?』
『お?いいな』
『親分賛成!バナナはおやつに入りますか?』
『俺よりお前のが子供だろ』
…
今日は雨だ
フランシスは家で本を読んでいる
なんて美しいんだろう…
全部欲しくなる
でも無理矢理奪ったら可哀想だ
だからこうして自由にしてやってるんだからな?
あ、電話がきたのか
『ぼんじゅー?』
『ヴェー、兄ちゃん?俺だよ〜』
『ああ、フェリちゃん!』
フェリシアーノ・ヴァルガス
ロヴィーノの弟で、ギルベルトの弟の友達だ
フランシスの事は昔から知っていてよくなついてるようだ
『いやー、暇だったの!』
『なんだよそれ〜』
『兄ちゃんは何してるの?』
『本を読んでたよ』
『なんて本?面白い?』
『んー、「狂気の薔薇」だって(笑)ぜんっぜん面白くないよ!きっと著者がイギリス人だからだよ(笑)』
『なんで読んでるのさ〜(笑)』
『だって暇なんだもん』
『っていうか、なんで買ったの?(笑)』
『いや、家の前に置いてあったの』
『へ?』
『プレゼントですって書いてあったから』
『よくそんな怖いものに手をだしたね(-_-;)』
『あはは、面白そうじゃない?どれだけシャイなマドモワゼルなのかさ♪』
『も〜、兄ちゃんってば!』
…
今日のフランシスは浮かない顔をしている
悩みがあるらしく、友達のギルベルトを呼んでいる
『どうしたよ?』
『なんか…誰かに見られてる気がする』
『え?』
『ストーカー、って言うほど確信は持ってないけど…』
『…心当たりはあるのか?』
『それが無いんだよ…』
『実害はあるのか?』
『郵便も、見られてるけど盗られてることは無いみたい』
『なんだよそれ…』
『気持ち悪いのよ…』
『大丈夫か?なにかすることはあるか?』
『今は、とくには思い付かないんだけど、ちょっと不安でさ』
『そうか…しばらく俺とトーニョで注意してみるよ』
『ありがとう…』
…
フランシス、声が聞きたい
こんな夜中にかけたら迷惑かな?
でも我慢できないや
ちょっと、ちょっとでいいから
『…』
『…ぼんじゅー?』
『フランシス?』
『え?どちら様ですか?』
『今日はどこにも行かないのか?』
『は?』
『この間言ってたショッピングセンター、車だせば10分だろ?』
『えと、どなた?』
『あのショッピングセンターにお前が好きそうなブティックがあったぞ?』
『ちょっ、いたずらはやめてください…』
『きっと、お前に似合う服があるぞ?』
『っ、いい加減にしてください!』
ブツッ