お前なんか嫌いだ

□愛愛愛
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愛してる


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狂おしい程に



−−−−−−−−



遠くで揺れるブロンドの髪は風に吹かれて輝いている

その人は美しく暖かい風に頬を緩めている


ああ、なんて綺麗なんだ


きっとお前は俺が見ているのを知らない
俺はここからお前を見守っているんだ









『あはは、ギルってば子供!』
『ちょっ、馬鹿にすんなよ?!』
『ギルちゃんガキやわ〜!』



楽しそうだな
今日もあの二人と一緒なのか


ギルベルト・バイルシュミット
銀髪でがたいのいい男
好きなものはジャガイモ、メイプルシロップと子供の味覚の持ち主


アントーニョ・フェルナンデス・カリエド
茶髪でくせっけのスペイン人
トマトが大好きで自称親分
子分と称しているロヴィーノ・ヴァルガスを溺愛している


あの三人は幼馴染みでよくつるんでいる
ブラコンのギルベルト、ショタコンのアントーニョ、女好きのフランシスと似た者同士気が合うのだろう
皆性癖が大分屈折してるのは間違いない


『この間新しくショッピングセンターができたよな』
『お兄さん行ってみたいな〜』
『ロヴィ連れていってやりたいわ』
『今度皆で行こうか?』
『お?いいな』
『親分賛成!バナナはおやつに入りますか?』
『俺よりお前のが子供だろ』







今日は雨だ
フランシスは家で本を読んでいる


なんて美しいんだろう…

全部欲しくなる

でも無理矢理奪ったら可哀想だ
だからこうして自由にしてやってるんだからな?


あ、電話がきたのか


『ぼんじゅー?』
『ヴェー、兄ちゃん?俺だよ〜』
『ああ、フェリちゃん!』


フェリシアーノ・ヴァルガス
ロヴィーノの弟で、ギルベルトの弟の友達だ
フランシスの事は昔から知っていてよくなついてるようだ


『いやー、暇だったの!』
『なんだよそれ〜』
『兄ちゃんは何してるの?』
『本を読んでたよ』
『なんて本?面白い?』
『んー、「狂気の薔薇」だって(笑)ぜんっぜん面白くないよ!きっと著者がイギリス人だからだよ(笑)』
『なんで読んでるのさ〜(笑)』
『だって暇なんだもん』
『っていうか、なんで買ったの?(笑)』
『いや、家の前に置いてあったの』
『へ?』
『プレゼントですって書いてあったから』
『よくそんな怖いものに手をだしたね(-_-;)』
『あはは、面白そうじゃない?どれだけシャイなマドモワゼルなのかさ♪』
『も〜、兄ちゃんってば!』







今日のフランシスは浮かない顔をしている

悩みがあるらしく、友達のギルベルトを呼んでいる


『どうしたよ?』
『なんか…誰かに見られてる気がする』
『え?』
『ストーカー、って言うほど確信は持ってないけど…』
『…心当たりはあるのか?』
『それが無いんだよ…』
『実害はあるのか?』
『郵便も、見られてるけど盗られてることは無いみたい』
『なんだよそれ…』
『気持ち悪いのよ…』
『大丈夫か?なにかすることはあるか?』
『今は、とくには思い付かないんだけど、ちょっと不安でさ』
『そうか…しばらく俺とトーニョで注意してみるよ』
『ありがとう…』








フランシス、声が聞きたい
こんな夜中にかけたら迷惑かな?

でも我慢できないや
ちょっと、ちょっとでいいから


『…』
『…ぼんじゅー?』
『フランシス?』
『え?どちら様ですか?』
『今日はどこにも行かないのか?』
『は?』
『この間言ってたショッピングセンター、車だせば10分だろ?』
『えと、どなた?』
『あのショッピングセンターにお前が好きそうなブティックがあったぞ?』
『ちょっ、いたずらはやめてください…』
『きっと、お前に似合う服があるぞ?』
『っ、いい加減にしてください!』

ブツッ
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