お前なんか嫌いだ

□愛愛愛
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フランシス、最近全然電話もできてない
電話線抜いただろ?
インターホンも鳴らないようにしてある
郵便もギル達がチェックしてる

今、お前のまわりには常に人がいる


お前が望まない奴らも、な…
でも、近づけない今、俺が出ていく術はない







『…フラン、大丈夫なん?』
『うん…最近ぜんぜん被害もないし、ちょっと外に出たくなっちゃった』
『ホントに俺達三人だけでええの?ロヴィとかフェリちゃんとか呼ばんの?』
『大丈夫、三人なら平気だって』
『なら、いいけどよ、離れるなよ?』
『うん』
『…そうと決まったら、新しいショッピングセンターでもいこか!』
『もうできて大分たっちまったから新しくはないけどな!』
『えへへ…楽しみ』







『やっぱり人がたくさんいるわ〜』
『フランシス、大丈夫か?』
『うん!』
『良かったなぁ、新しい洋服も買えて』
『久しぶりの外だもんな』
『楽しいね♪』
『…あ』
『トーニョ、どうした?』
『あかん…』
『アントン…?』
『親分…トイレいきたい』
『行けよ(笑)』
『なんや〜、みんな一緒に行こうや〜』
『当たり前だろ、三人行動だからな』
『俺は入らないから、個室の前で待ってるよ』
『ああ、せやね』







『フラーン、おるかぁ?』
『いるから、個室から話しかけないでよ』
『せやかて心配や〜』
『大丈夫よ』


フランシス…気づいてないのか?
お前を見ている奴が近くにいるのに…


『でもでも!親分心配しすぎて死んでしまうわ〜』
『落ち着けよ、早く済ませて出れば良いだろ』
『せやね(笑)』
『なあ、フランシス?』
『……フラン?』
『フランシス?どうした?』
『フラン?フランどこいったん?』
『…?!トーニョ、出ろ!!!』
『ちょぉ、待ってや…!何?どないしたん?!』
『わかんね、俺も出る…!!』


馬鹿どもめ…







ああ、フランシス
可哀想に、あいつらに連れてかれたんだな…


『…っ…』
「お、気づくぜ?」
『…え…?』
「おはようフランシス、気分はどう?」
『え?誰?ここ、どこ?』
「あはは、落ち着いてよ」
「そうそ、ゆっくりして、ね」
「どうせここには誰もこれないからさ…」
『…?!』


フランシス、怖いよな
あんな汚い男たちに囲まれて…


「ねえ、フランシス、覚えてる?」
『え…?』
「この間玄関の前に本置いたの、読んでくれた?」
『…本…』
「そうそ、読んでくれたよねぇ?でも気に入ってくれなかったみたいだね」
『っ…?!…うそ…お前ら…』
「家に行ってみたこともあったね」
『っ?!』
「インターホン鳴らしても出てくれないんだもん、酷いね」
『…ぁ…いや…』
「ねぇフランシス、可愛いね」
「めちゃくちゃにしてあげたいな…」
「大好きだよ、フランシス…」
『この声……電話…あ、っ…嫌…』
「「「フランシス…」」」
『嫌…やだっ、やだ…あ…来るな、来るなよおおおおぉぉぉぉ!!!!!』

『フランシス!!!』

『…え?』
『フランシス、大丈夫か?!』
『誰…?』
「お前何?」
『フランシスから離れろ』
「はあ…?」
『っ…?!お前…写真の…?!』
『…』
「邪魔だよ、どっか行きなよ」
『どっか行けよ』
「お前なんなの?」
『お前らなんだよ?ストーカーだろ?』
「違うよ、フランシスの恋人だよ」
『ち、ちがっ…?!』
『馬鹿、恋人は俺だよ』
「は?」
「何コイツ頭おかしいんじゃないの?」
「殺っちゃえよ」
『…』
「ごめんね?今ナイフが一本しかないんだ、だから三回くらい刺すよ?」
『だめ……逃げて…!!』
『……っ!!!!!』

[ずぶっ]

痛い
鈍い音をたててナイフが脇腹に刺さる

『…そんな…?!』
『…』
「な、何コイツ…」
「どうした?」
「ナイフ、握って…畜生、離せよっ……!!!」
『…消えろよ』
「…?!」
『フランシスに近づくなよ、汚いから。フランシスが怖がってるだろ?恋人の俺が守ってやんなきゃいけないから、お前達殺しちゃうかも』
「っ、てめぇ…!」
『消えろよ、帰れ。汚いから消えろよ。帰れよ。帰れ、汚い。消えろ、邪魔だから、帰れよ、帰れ』
「っ……?!」
「き、きもちわりぃ…?!」
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