お前なんか嫌いだ

□愛したっていいじゃないか
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抵抗するイギリスの腕を掴んで自由を奪う
舌を入れると口にあったワインも一緒に流れ込んで唾液と混ざる
上質なワインの香りともうどちらともわからない唾液の香りに頭を犯されながらキスをさらに深いものへと変えていく


「はっ…ん…////」


口から漏れる赤い液体は相手の胸に垂れて服を汚す
イギリスは無意識なのか、掴まれていた手が離されるとすぐに背中にまわした


「んっ…どう?」
「はっ、あ……馬鹿…/////」
「思い出しちゃうでしょ?」
「…/////」


イギリスの顔は真っ赤になって爆発しそう
そりゃあこんな深いキス、思い出しちゃうよねぇ
俺とのならなおさら


「イギリス、かーわいい♪」
「っ?!////ふざけんなっ////」
「ね、もっとこっちおいでよ」


腰を抱き寄せると、相手の体はビクンとゆれる
甘いのになれてないなぁ…


「ちょ、やめろよ////」
「やだよ、だって俺のこと好きでしょ?」


イギリスの体は硬直している


「好き?」
「…」
「…はぁ」


お前ねぇ、甘えなれないのもわかるけど、もう何年こんなことしてると思ってんのよ
そう、いつもだ
いつもこういう場面になるとどもるんだ
俺がいくら言いやすい環境にしてやっても、不意をついてやって雰囲気でのんでやっても、こいつは結局答えを出さない


「お兄さんもさぁ、無償の愛を一人に送り続けるほど心広くないのよ、それが好きな人ならなおさらね」
「…ごめん」
「謝るんだったらなんとかしようとしないの?」


少々キツいようだが、俺だってこんなに待ったんだ
問いつめて答えを聞く権利くらいある


「…」
「…どうしたいの?俺と離れたい?」
「ち、ちがう!!」
「じゃあなに?俺が優しくしすぎてるの?」
「そ、それは…」


違う、とは言えないらしい
恐らく優しすぎるし、でもそれが嫌ではないんだと思う


「…別れよっか」
「えっ…?」
「いや、そもそも始まってすらいないんだけどさ、こんなダラダラした関係めんどくさいでしょ?」
「そ、そんなことない!」
「そぉ?そのわりには熱入らないよね」


「今とか」と追い討ちをかける
イギリスは喉から乾いた音をだして何かを飲み込んだ
我慢しちゃって、思ってることがあるなら吐けばいいのに


「俺は…」
「…なに?」
「…」
「…もう、ちょっと時間あげるからシャワーでも浴びてきなさいよ」


困って泣きそうなイギリスに見かねて時間をだす
無言で立ち上がるイギリスは早足でさっていった


「…俺って、なんでこんなのの側にいるんだろ」


誰に問いかけるわけでもなくため息混じりに吐き出した
なんでって、そんなの好きだからに決まってる
俺は好きだからイギリスと一緒にいるんだ
でも、イギリスはどうなんだろう
アイツはどういうつもりで俺からの愛を受け取っていたんだろう







「…」


戻ってきたイギリスは相変わらず固い表情のままだ


「どう?答えだせそう?」
「…」
「黙んないでよ、イライラする」


待ってる間に酒がすすんだせいか、いつもより言葉がキツくなってる
でもいい薬だろ


「その…やっぱり、一緒がいい」
「一緒って?好きなの?」
「っ…」


また黙る
何かが切れたような感じがした


「もー、お前さあ!!いい加減にしてよ、俺だって待ってんだよ!!いつもいつも同じとこで止まんないでくれる?!迷惑だから!!」
「っ…ごめん…」
「謝んなって!!そんなこといってんだったら答えの一つくらいでるだろ!!」


ひとしきり吐いてなんとなく落ち着いた俺は、できるだけいつもの口調ではなしはじめた


「ホント、ずっと待ってんだからね。俺の答えはでてんの」
「ああ…」
「…なんでそんなに困ってるの?言いたくないの?」
「ち、違うけどよ…」
「けど?」


イギリスは目を合わせないまま小さい声ではなしはじめた


「…俺、別に言えない訳じゃない。ただ、俺が重いから、お前だってきっと邪魔になる」
「…」
「俺からキスもしたことないし、いいとこになるとなに言っていいかわかんなくなるし…上手いことお前に何かしてやれる自信がない」
「…関係ないね」


切り捨ててやる
そんな甘い考えなんていらないだろ


「俺がどうじゃなくて、お前が好きかどうかのことよ」
「…」
「嫌いなの?」
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