番外編

□バレンタイン企画
1ページ/7ページ




二月十四日

この日は、知らない方はまずいないであろう祭典の日だ。
何処かの聖人が殉職した日だったはずだが、いつの間にか世界規模なイベントへとジョブチェンジを成し遂げていたこれ如何に。

日頃の感謝を込め、家族や恋人、上司や友人に贈り物を贈る。
贈り物に想いを込めて、意中の人に想いを伝える日ともなった。

国々によって違うが、日本では女性が男性にチョコを贈り成功したその後は、まぁ、どこかでしっぽりと…

なんて、冗談は置いといて。
その他にも、友チョコや義理チョコ、最近では逆チョコなどが一般的だろう。

はいそこ、そうキミ。
女の子にチョコもらえたーって喜んでいる男子。
さて、質問です。くれた子は普段からよく話したりする仲のいい子ですか?
もしかして…あまり話さないのにくれたってわけじゃあございませんね?
その子がキミのことを好いている…そう感じますか?
感じませんか、そうですか。
うんうん、他の子、男子だけに配り歩いているみたいだし?

義理でも嬉しい?
そう、なるほど…



…ふ、ふはははははははっ!!
そうか、ならば今のうちに存分に喜ぶがいいさ!!
その女子は間違いなくお返し狙いだ!!
三倍返し?
そんなのは生温い。
そういうタイプは五倍、十倍と跳ね上がるぞ!!
さらに、その子が気に入らないものだと、他の女子に「あいつセンスない」とか言いふらされる特典付きだ!!
だからと言ってお返しを返さないと更なる恐ろしい結果を招いてしまう…





「ああ恐ろしきかなバレンタインデー!!」

「どうしました!?」


日本。

買い物中、そこらかしこで見かける明日のXデーを示す看板や旗。
街ゆく女性の腕には、Xデーに捧げるであろうお菓子会社の陰謀と策略が綺麗にラッピングされた袋が抱えられている。


「ガッデム!!」

「碧斗さん!?
落ち着いてください碧斗さん!!」


必死の揺さぶりによりぶっ飛び意識が戻ってくる。
ふう、危なかった…。


「ありがとうさーちゃん。
もう少しで頭パーンするとこだった。」


今だ心配そうに私に声をかける美少女もといさーちゃんにお礼を言う。
そうです、今日はさーちゃんと一緒に買い物に来たのです。


「いったいどうなされたのですか?
どこか具合でも…」

「ごめんごめん。大丈夫、常に悪いのは頭だけだから。
街中に溢れかれるリア充オーラとお菓子会社の陰謀と策略についついね!」

「?」

「さおちゃんは気にしなくてええんやで…そのままのキミでいておくれ。
さ、材料も買えたし、城戸邸に戻って作ろうか!」

「はい!」


そうなんだよねぇ。
なんやかんやほざいてるけど、私もその陰謀と策略に乗っかるために買い物に来てるんだよね。

バレンタインも近いし、日頃の感謝を込めてお世話になっている人に贈り物をしよう!
でも、何を贈ればいいのか分からなくて、さーちゃんに相談したら

「チョコを贈りませんか?」

と言われたのでそうすることにした。
買いに行くよりは作った方がコスト的にもよろしいので、早速材料を買いにいこうとしたらさーちゃんも作ると言ったので一緒に買い物へ。

そこで、リア充オーラに当てられた私は上のような状態になったということです。

いやはや、お恥ずかしい!


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ