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□マジカル☆ブック 〜混沌の書〜
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改めまして、呪文をちゃんと見てみようと思いますよ、ハイ。


『なになに…"全てを無に帰し…"

出だしから大丈夫かこれ。』


やるとか言っといてなんだけどさ、ホントにあってんのかこれ。
全てを無に帰しとか言ってるけど、これヤバイ呪文とかじゃないよねねぇちょっと。
メラゾーマとか勘弁よ?


『と、とりま何とかなることを信じて…。

"全てを無に帰し混沌なる魔導書よ、我が望むは異世界より訪れし旅人。
今こそ、其方の力を見せしめせ。"』


契約の下、名無しが命じる…封印解除(レリーズ)!

なんつって!


『"フリディ…"あ、間違えた。
"フィリディア・オール・フェロン"!!』

「ん、なんかちっちゃく書いてあるぞ。

"この呪文を唱える時、余計な"事は一切考えてはいけません。
なお、強力な呪文ですので、絶対にぜーったいに間違えないでね☆"

なんだこりゃ、あの歌じゃあるまいし…なあ、名無し?

名無し?


おっとぅー?
全員の視線が集まってくるに連れ、変な汗が止まらないぜオイ。
そのまま、俗に言う明後日の方向を向けば、オカンに頭を掴まれました。
いだだだ、首は無理に曲げてはいけません!


「オイコラ名無し。
お前、さっき間違えてたよな?
ちっっせぇ声で間違えたとか言ってたよな?あ"?」

『記憶にございませ…
ごめんごめんごめんぎゃーーす!!』


やめてぇぇえ!!
徐々に小宇宙込めて頭掴むの切実に勘弁してくださいぁぁぁああ!!


「どうせお前の事だから余計な事も考えてたんだろ!?
"封印解除(レリーズ)!"とか考えてたんだろゴラァ!!」

『すごいデッちゃん大当たりだよ!!
流石はオカン!!


サーセン調子乗りましたごめんなさいぃぃい!!』


仕方ないじゃん!
あれ知ってる人だったら、一生に一度はやってみたい事なんだよ!!
こーゆー時にしかやれないじゃんか!!

必死に主張してみるも、掴まれる力が強くなるだけでした痛い。


「うわっ、ヤバイぞ!
魔法陣っぽいの出てきたけど、スゲー禍々しい!!」

「ほう、見た事も無い文字が浮かんでいますね…」

「お前は冷静に解析するんじゃねぇ!!
ちょ、音!!」


それこそ、"ズモモモモ…"と漫画のような音を立て、どんどん広がっていく魔法陣。

うっわ、えげつなうっわ。
でも、こんな時でも、毛を逆立てて私を庇う様に立ってくれてるミロやカミュ達が愛おしすぎてちょっと癒されてる自分がいる事に気がついちゃったよ先生。


『中止の呪文とか無いのコレ!?』

「それがの、書いてあるところが破れておってのう。
いやはや、まいったまいった!」

「老師、笑っている場合ですか!?」

「いっそ、この本燃やしちゃうとか?
そーれ!」

「"そーれ"じゃねぇ!
それこそやめろ!!」

『わー!!
魔法陣本格的に光り出した!!』


わかった、ここまできてしまったのなら私も腹をくくろう。
だがしかし、これだけはどうか聞き入れてください。
来ませんように、どうか狂気の人形とか13日の人とかITのアイツとか来ませんように何卒何卒お願いします本気で。

本気で祈る中、魔法陣が一層眩い光を放った。
お願いしますぅぅぅうう…!!



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