白銀の月
□I Think U know
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グサッ!!
「ッ‥‥。」
必死に手足を伸ばし、抵抗していたルフィがその動きを止めた。
『‥‥やっぱり、気絶したか‥。悪いな、ひどい事して。』
ナナは地面にぶっさした刀を抜き、ルフィの体に巻きついていた草を取った。
刀を鞘に戻し、ルフィを抱えてバーに戻った。
『おい、こいつ返すぞ。』
「るっ‥ルフィーー!!」
ルフィを床にドサッと降ろすと、涙目のチョッパーが駆け寄った。
それを横目で見ながら、ナナはさっきのイスに腰掛け、また酒を飲みだした。
「ルフィが目を覚まさねぇよ!!血は出てねぇのにっ!」
『ああ、だろうな。』
ボロボロと涙するチョッパーを見て、ナナがボソッと言った。
「ルフィに何したんだよ!」
ルフィがやられた所を見てショックを受けたチョッパーは、敵討ちと云わんばかりに、ランブルボールを取り出した。
『殺しちゃいねーよ。そいつに幻覚を見せたんだ。自分が自分に殺されるって酷なやつをな。』
「アハハ。ま、ナナは簡単に人を殺したりしないから。」
シャッキーがそう言うと、チョッパーは安心したようにルフィを見つめた。
『出掛けてくる。新しい情報が入ったんだ。‥‥そこの二人、くれぐれも気をつけろよ。分かっているとは思うが、人攫いなんぞウロウロいるぞ。』
「ニュー、なんで人間じゃないって分かったんだ?」
『最初から気づいてた。私も、純粋な人間じゃないんでな。』
それだけ言うと、またマントを羽織りフードを被って店を後にした。
20番GRにつくと、なにやら金属のぶつかる音や地響きが聞こえた。
『なんだ?やけに騒がしいな。』
「今、21番GRに近付かないほうがいいぞ。海賊が暴れまわってる。」
声のする方を見ると、エプロンを身に付けじょうろを持ったじいさんが、花に水やりをしていた。
『へェ、海賊か。そりゃ、行ってみる価値がありそうだな。』
後ろでじいさんが何かを叫んでいるのを無視して21番GRを目指した。
『ここまで音が聞こえるから、ルーキーかもな。』
のん気に歩いていると、21番GRの方から逃げるように走ってくる集団とすれ違った。
ナナはそのうちの一人の腕を掴み、無理やり止まらせた。
「おい、なんだよお前!腕を離せっ!」
『21番GRで海賊が暴れてると聞いたんだが‥‥。』
「ああ、そうさ。海賊だよ!ルーキーだ!!怪僧と殺戮武人が暴れてんだよ!」
『‥‥そうか。それはどうも。』
掴んでいた腕を離すと、男はさっきの集団と一緒に走っていった。
『‥‥これでやっとルーキーにたどり着けるな。』
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
はい、ルフィは生きていました。
ルフィが死んだらなんて、考えられない!!