白銀の月

□Easy Mind
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『…しかし、なんでみんなそわそわしてるんだ?』


24番GRにつくと、辺りの様子が少しおかしいことに気づいた。


そして、人々の視線はあるレストランへ向けられている。


『ここに何があるんだか…』


ためらいもなくそのレストランへ入っていくと、そこには探し求めていた人物達がいた。


『へェ…。まさか、ここに集まっていたとはな。』


店員の言うことを無視して、迷うことなく、ある人物の方へ足を進めた。


『異名通りだな、ジュエリー・ボニー。』


遠慮なく、同じテーブルについた。


「あー?誰だ、お前。」


しゃべりながら手を動かすボニーに、自分の髪を少し見せた。


「…白銀の月、月光ナナか。」


ボニーは食べる手を止め、口周りを拭った。


『…別に、殺し合いをしに来たわけじゃない。ルーキーが集まってきているから、会いに来ただけだ。』


「んで、どういったご用件だ?」


ボニーはまた食べる手を動かし始めた。


『ん?あぁ…。誰かルーキーを見なかったか?あそこにいる、カポネ・ギャングベッジ以外でな。』


「ああ!?…気づかなかった。」


『あっちはずっとお前の事、邪魔者扱いしてんぞ?』


「なんだと、あの野郎…」


ボニーが食べ物を皿に置き、ギャングベッジの方へ行こうとするのを止めた。


『店で暴れられたら、こっちも困る。』


そう言うと、ボニーは悔しそうな表情のまま席につき、また食べ始めた。


『…新しい奴が来た。ジュエリー・ボニー。これで好きなだけ食べろ。』


机の上にいくつかの宝石を置いて、席を後にした。


『魔術師、バジル・ホーキンス。』


「なんだ、てめぇ。」


「月光ナナ」


『お初に、よくお分かりで。』


「大食らいとの会話が聞こえた。ルーキーを探し歩いてるそうだな。」


『ああ。あんたの魔術で、誰かどこにいるのか教えてくれよ。』


「っ船長に向かってあんただと!?」


「…お前はこの島にいるルーキー全員と会うだろう。」


『…それはありがたいね。』


ホーキンスの部下が文句を言ってるのを無視して、店を出ようとした。


「…天竜人が来ている。」


横を通り過ぎる時、ホーキンスがボソッと呟いた。


『…それは厄介だな。早めにオークションへ行くか…。』

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