短編

□素直じゃない人
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「お前さん、俺のこと好きじゃろ」


唐突に、放たれた言葉に
頭が真っ白になった。

心境を言葉にするなら、
何故バレた!という感覚。

確かに、好き。
さりげなくアピールしてきたつもり。

あくまでも、さりげなく。

実は、顔に出てたってこと?

「そんなにバレバレだった?」

「なんじゃ、当たりか」

カマかけられたみたいだ。
1人で焦って馬鹿らしい…

「あぁぁぁ…」

せっかく、バレ無いように
仲の良い子にも言って来なかったのに。

まさか、本人にバレるとは…
最悪だ。

「この程度じゃ、
俺は落とせんぜよ」

「うっ…」

落とそうとか、
恋人に、成りたいとか
思ってた訳じゃない。

仲良くなれたらいいな、
って程度で

最近は、少し話せるように
なってきて嬉しかったのに、
こんなことになった。

「俺を驚かせるような、
告白をしたら考えちゃる」

意外な言葉に、びっくりする。

「驚かせる?」

「ああ、在り来たりなんは
もう飽きたけえ」

飽きたって……
でも、そんなの
思い付かないよ!


「更に前途多難だなぁ」

「期待しとる」

そんな期待いらないよ…

「仁王とは、壁を感じるよ」

「バリケード張っとるからのう」

「そっか」

「壊すのはお前さんじゃよ」


【素直じゃない人】
お前さんが、告白してくれるなら
何でもいいんじゃけどな








2012.04.10

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