天才科学者の学園生活
□第一章
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次の日、俺と匠は1‐Aの教室の扉の前にいた。
勿論、俺は薬を飲んで来てるし匠も変装はバッチリ。
…まぁ、匠の場合はバッチリと言っていいのかは分からないけどね。
「…入れ」
水無月先生の声に、扉を開けて教室に入る。
こんなに注目を浴びたのは久しぶりだ。
でも、その視線のほとんどが匠に向かっていた。
…まぁ、あの顔だしね。当然かな。
「転入生の神谷怜です。不慣れな点もあると思いますが、これからよろしくお願いします。」
「えっと、同じく転入生の藤間匠です!よっ、よろしくお願いします!」
緊張のせいでか、匠の声は若干上ずっている。
「あー…神谷は伊藤の隣、藤間は夏野の隣に座れー。伊藤と夏野、手ぇあげろー」
面倒臭そうに言う水無月先生を気にすることなく、一人が手をあげた。
……あれ?伊藤?
そう言えば、幸也の苗字って…
「怜!こっちだよ!」
ああ、やっぱり。
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