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□瞳を閉じて
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「あれ!?なまえちゃん、何食ってんの?」

「…ポテト」

「俺らも何か食ってこーかな、なっ!」

声を掛けてきた、背の高い男子高校生が周りの友人に同意を求める。
なまえの隣に座っていた友人が隣のテーブルを引き摺って自分が使っているテーブルへとくっつけるのも見慣れてしまっている程に、最近よくこの集団と顔を合わせる。


今なまえと共にポテトを摘んでいる内の1人が、この男の中の一人と付き合いたいらしい。
なまえも友人としてもちろん協力は惜しまないし、何より女子というのは友人の恋愛を応援する事が大好きな生き物なのだ。


ただ、特に先ほど声を掛けてきたリーダー格の男子が、どうも好きになれないタイプなのだ。
自信満々で、泣かされた女の子も多いらしい。けれども不思議と彼女になりたいという女子は絶えない。
そして毎回、なぜかなまえの近くへ腰をおろす。


ストロベリーシェイクのストローを甘噛みしながら、なまえは厳しい練習の真っ只中にいるだろう荒北を思う。


「ね、俺の兄貴がこんど店貸し切ってイベントするんだけど、みんなも行かない?」
そんな一言で、いつの間にか週末はこのメンバーで遊びに行く事になっていた。


…この男はいけ好かないけれど、こんなに楽そうな話は中々無い。


早速女子は何を来ていくかの相談に入り、なまえも自分のクローゼットの中を思い出しながら、友人と服の貸借りの話に夢中になっていった。
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