パラレル小説

□再会の音色
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「やっと着いた…」

東京の国内線空港に一人の少年が降りたった。
左手に大きなキャリーバック、腰にはウエストバック、右手には布で巻かれた大きな風呂敷、背中にはギターケースを背をっている。

彼の名前は松風天馬。
小学6年生で2学期から東京の稲妻町にある小学校に転入することになっている。

天馬はギターケースを背負い直してキャリーバックを自分の側に置いてから背伸びをしてから周りを見回した。

「えっと…秋姉さんが迎えに行くって言ってたけど…」

と、天馬が空港の出入り口から自分の方に歩いてくる女性と男性を見つけた。

「…秋姉さん?…」
「天馬!久しぶり、元気にしてた?」

女性の方が天馬に歩み寄り抱きしめた。
彼女は天馬の親戚の円堂秋だ。
そんな彼女を苦笑しながら付き添っていた男性が声を掛けてきた。

「き…秋、それは天馬が苦しんじゃないか?」
「いい加減に慣れてよね、豪炎寺君」
「仕方ないだろ…」
「豪炎寺兄さん?」
「あぁ、久しぶりだな天馬…大きくなったな」

天馬の頭に手を乗せて撫でた男性は
豪炎寺修也、秋とは中学時代からの知り合いで、天馬とも10年前に会っている。
豪炎寺は天馬の頭から手を退けると、そのまま天馬の横にあるキャリーバックを持ち秋を見て

「そろそろ行くか」
「そうね。天馬行きましょう」
「あ、うん」
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