☆FF小説☆
□acceptance
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「これがオレの務めだ!」
そう言って彼は炎の中へ消えた。
まだ、2日前にしかならないこと。
思い出すまでもなく、何度も、何度も、その映像は過ぎては消えてゆく。
…私は、ずっと泣いていた。
コンコン、と規則正しい音が扉から聞こえてきた。
けれど、返事はしない。する気にもならなかった。
しばらく間があって…その「間」によって、音の主が誰かは分かったが。
それと同時に扉は開かれた。
「勝手に入ってすまない。だが…食事は摂らなくては」
入ってきた金髪の男、イングズは言い聞かせるようにして、ゆっくりと話した。
「別に、いいわ…でも、あまりほしくないの」
「デッシュのことで、か…やはり、レフィアは…」
言葉はそこで途切れていたが、イングズの表情が続きを語っていた。
女性にそのようなことを尋ねるなど、全くもって失礼なことであり、イングズは口走ってしまったことを後悔したが、レフィアも普段なら撥ね付けるべきところなのに、うまく思考が回らず、それを黙認した。
「ううん。…わからないの。今までの私が、彼を見て何を思っていたのか。わかるのは、彼がいなくなったから、悲しい…ただそれだけ」
「そうか…ならば、少し前の話になるが」
イングズは、話を始めかけてから、食器のトレイを手近な台に置いて、レフィアに程近い距離に腰を下ろした。