☆FF小説☆
□steal
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…ここは、アーガス城。魔導師ハインを倒した一行は、御礼とばかりにに歓迎をうけ、しばし滞在することとなった。
その日の夕方、真っ赤な太陽が沈む頃。
−−また、だ。
レフィアはこみ上げる感情の波を感じて、一人外へ出て行った。
これは、デッシュを失ったあの時から何度もあった。
燃ゆる太陽が、あの塔のほとばしる焔と重なるから。
そのたびに涙がこぼれそうになった。あれから、随分経っているはずなのに。
幸い、この近くに、森に囲まれた小さな湖を見つけていた。
そこなら、誰も来ないし、その風景が癒してくれるかもしれない。泣くなら、それでも構わないだろう。−−そう思っていた。
森に入っていくと、しばらくでそこに至った。が、ふぅ、と一息ついて、頭のバンダナをはずしたとき、一人の人影を見つけた。