romanzo
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唐突にその人は現れた。
僕の大好きな相馬先輩に腕を引かれながら。
転校生だからってチヤホヤされて。
その肩書きが有効なのは2週間だけだっつーの!
相馬先輩も、相馬先輩ですよ!
僕というバディが居ながら……
でもそんな先輩もなかなか素敵で……
はっ!
いけない。
今はなんとしても相馬先輩から薫先輩を引き離す手立てを考えなければ。
観察1日目
登校し教室に入ると数人のクラスメイトに話しかけられる。
相馬先輩はまだ来ていない。
HR開始5分前、相馬先輩が教室に駆け込んできた。
今日のTシャツのデザインは“暑い”
昼休み、チャイムと同時に相馬先輩に引き摺られるように購買へ。
先輩とくっついてんじゃねーよ。
あ、鉢嶺先輩は薫先輩に引き摺られてる。
その後教室に戻ってきて昼食。
薫先輩はお弁当じゃないですか。
わざわざ購買にまで行った意味。
相馬先輩はカレーパン、と。
放課後は部活。
上級生4人で部室に来た。
薫先輩は三鍋先輩と談笑。
ふと薫先輩と視線が合った。
「光希?」
慌てて視線を逸らした。
「なんでもないです」