romanzo
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土曜日
駅前の時計は10:12を指している。
「悪い友紀也、遅れた」
「いや、気にするな」
薫が息を切らせながらやってきた。
「うちの猫が食器をひっくり返してさ」
「それは大変だったな。というか猫飼っていたのか」
「あぁ、黒猫で雪って名前なんだ」
「俺と一字違いだな」
「本当だ」
互いに顔を見合わせ笑った。
その時電車の到着アナウンスが流れた。
「行こう」
「あぁ」
目的地に着いた頃にはもう昼の時間になっていた。
2人はファストフードでお腹を満たしドコバシへと足を向けた。
薫はどんなパソコンがいいんだ?」
「ネットが出かけ先でも使えるやつ」
「なら、あれ程度コンパクトで無線ランが入ってるのがいいな。OSはどうする?」
「おーえす?」
「うん」
「よく分からないから任せる」
「・・・・・・分かった」
友紀也は店員と2、3言話すと薫を呼んだ。
「今ちょうど夏モデルと冬モデルの入れ替え時期だから、冬モデルだったら比較的安く手に入る」
「へ〜」
「俺としてはこれとかオススメ」
そんな感じで薫のパソコンも決まり店を出た。