蒼穹
□真壁一騎の育成日記
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朝。
相変わらず低血圧なのは、こんな幼いころだったのだろうか。
俺は何度か総士を起こす為に声をかけるが、一向に返事はない。
仕方ないので朝ごはんを作るのを中断し、寝室へと向かう。
「こら総士!もう朝だから、起きろ」
叫ぶが、一向に起きる様子はない。
総士が急に小さくなって数日。
この朝の作業が一番疲れるような気がしてならない。
10分間の格闘の末、ようやく総士が布団から起き上がった。
子供用のパジャマもないため、俺のシャツを着ているだけ。
目を擦り、ボーッとした顔は、なんというか。
純粋に可愛い。
「おはよ、総士」
「ん……はよ、かじゅき」
じゅき、って!かじゅき、って!!
興奮する勢いを堪えて、俺は総士を抱き上げる。
そっと総士の髪に唇を落とす。
「ご飯、もう少しだよ」
うん、と小さく聞こえ、俺は微笑んだ。
一日は、ここから始まるのだ。